去る2024年8月、ボーナストリガー(以下・BT)が発表され、さらなる盛り上がりが期待されているパチスロ業界。ではいったい、BTでどのようなゲーム性のマシンが作れるのか? 登場時期は? そんな気になる疑問を現役のパチスロ開発者に直撃! この先どんな未来が待っているのかを聞き出していくぞ。さらに、BT以外にもある変化が…!?
―本日はお時間いただきましてありがとうございます。
開発者A(以下・A):よろしくお願いします。
―それでは早速BTについてですが、もう少し細かいルールや仕様があれば教えていただけたらと思います。巷ではBIGで500枚取れるようになるとか、いろんな声が聞こえてきますが、そのあたりが実際どうなるのか教えてください。
A:わかりました。現時点で答えられる範囲にはなりますがよろしくお願いします。
BT突入率は変えられる?
―まずは突入率についてですが、これって揃った絵柄に対して50%で2枚掛け状態に突入するとか、そういった事は可能なんでしょうか?
A:いえ、
各ボーナス絵柄に対して0%か100%ですね。あらかじめこの絵柄なら行くor行かないが決まってます。赤7が揃ったら必ず行きます。青7だったら行きません、みたいな。
―なるほど。では赤7が揃えば次回もボーナス高確率確定。青7なら連チャン終了みたいないイメージですね。
A:はい。まさにそんな感じです。
大量獲得機は作れるの?
―BTを使えばBIG1回で500枚取れるみたいな声もありますが、実際そんな仕様も可能なのでしょうか?
A:それは一応
できるはできますよね。適合するかは別の話ですけど。
―日電協の記者発表会では「今あるノーマルタイプ自体の適合率もそこまで高くない。簡単にバンバンボーナスが揃うというのは難しい」といった話もあったのですが。
A:そこはやりようがあって、ゲーム性はいろいろ考えられますよ。例えば転落式タイプみたいな。枚数の少ないミニボーナスで終了するような終わり方とかにして。
―ほうほう。
A:あとはまぁ、各メーカーのアイデア次第になると思います。
―とは言え、短期の試験の内容自体は変わらないわけじゃないですか。となると、プレミアムボーナスみたいなものになるんでしょうか?
A:そうですね。1/65536とかにしておけば、もし試験で出なければ バンバンバン即連させる事も可能っちゃ可能です。
―なるほど。
A:ただ、そこは
業界内のルールとしてやりすぎないように制限は入るかと思います。
―ではプレミアムボーナスを引けば大連チャン確定! みたいな事は難しいんですね。
A:はい。現在は出玉の少ないノーマルタイプと射幸性の高いスマスロの2極化が進んでいるわけで。その中間のゲーム性を目指すのがBTの趣旨でもありますからね。
小役の高確率状態も可能?
―あと、これも気になっていたのですが、1枚掛けor2枚掛けでボーナス確率が変化するという事は小役確率が変わっても問題ないハズですよね。であれば、2枚掛け中は適当打ちでバンバン小役が揃う…みたいな事も可能なのでしょうか?
A:あ、それはダメですね。あくまで今回の解釈基準の変更は「ノーマルタイプのゲーム性を広げる」というところにあるので、
ボーナスではないところで増やしたりっていうようなモノはやめましょうねってなってます。
―そうなんですね。そんなゲーム性もあり得るのかと想像していたのですが。あくまで主役はボーナスということですね。
チャンスゾーン搭載マシンは?
―これはリノタイプのようなイメージになりますが、払い出しの少ないボーナスを複数搭載して、2枚掛けと3枚掛けがコロコロ変わるような。チャンスゾーンが来て10Gくらいで終わったりとか。そういったゲーム性も可能なんでしょうか?
A:はい。それは問題なくできますね。
―可能なんですね。ボーナストリガーの記者発表会の場では、ボーナスは100枚以上ちゃんと取れるようにしたいという旨の話があったので、実は難しいのかと思っていましたが…。
A:そこは細かい話なんですけど、
例えば3枚掛けから1枚掛けに移行するボーナス。これは枚数の制限はない予定です。1枚掛けから3枚掛けに移行するボーナスも同様ですね。
―ほうほう。
A:なんですけど、1枚掛けで当たってボーナス後も1枚掛けに移行するボーナスとか3枚掛けで当たって3枚掛けに移行するボーナスについては制限が入る感じです。
―なるほど。そういう事だったんですね。
ズバリBT搭載マシンの導入時期は?
―プレイヤーの皆さんが特に気になっているであろう部分ですが、BT搭載マシンの登場時期はいつ頃になるでしょうか? 試験体制もこれから整えていくので結構先になるという事でしたが。やはり半年後とか1年後とかそんなスケジュール感なのでしょうか?
A:うーん、具体的な時期については明言できませんが、やはり1年後くらいというところでしょうか。おそらく
スマスロが初めて出た時のように、各メーカーが足並みを揃えて…という感じになると思います。
―なるほど。ちなみにですが、このボーナストリガーの話ってどのぐらい前からあったのでしょうか。なんかちょっと前にSNSで話題になったこともありましたよね。確変パチスロが出るかも? みたな感じで。
A:
何年も前からですね。ずっと水面下でノーマルタイプの緩和を行政に働きかけてて、ようやく実現出来た感じです。
―そんなに前から動いていたんですね。
A:ご存知のとおり、今ってノーマルタイプが冷え切っちゃってるので。あまりにも出玉が少ないんですよね。5号機から6号機に変わった理由はもっとマイルドな台を作りましょうってところだったと思うのですが、もっとも射幸性というか
爆裂から遠いハズのノーマルタイプが一番割をくっているのが現状なんですよ。
―おっしゃるとおりです。
A:なのでノーマルタイプが主力のメーカーさんからは何とかしたいって声も上がってて。そりゃそうですよね…一番真面目にやっていたところがなんで割を食わなきゃいけないんだって。そんな感じで、ノーマルタイプでもう少し枚数を出せるようにしたいってなったところが発端です。
あのノーマルタイプもBTを搭載?
―ノーマルと言えばやはりジャグラーシリーズやハナハナシリーズが思い浮かびますが、やはりBTは搭載してくるんでしょうか?
A:これはあくまで私の予想ですけど、
ジャグやハナハナも含めてノーマルタイプは全てBT搭載になっていくかなと思ってます。
―ではもしジャグラーだとしたら、やはりBIG後に2枚掛けへ…といったような仕様ですか?
A:そうですね。最初のBIGで150枚出して2枚掛けに移行して。そして
1G連でもう150枚出して計300枚。そのあと通常時の3枚掛けに戻ります、みたいな感じですかね。
―なるほど。
A:これだったらジャグラーでもそんなに違和感ないですよね。イメージしやすいというか。2枚掛け中はBTが転落するBIGだけ成立するように設計すればいいので。
―その仕様で言うと、1分の1でボーナスが成立しても大丈夫ってことですか?
A:これは多分大丈夫だと思います。
多分ってのはやったことないので(笑)。私は大丈夫だろうと想定してます。
―そのあたりは各メーカーさんがこれから試行錯誤していくということですね。
A:はい。というかすでに考えてます。これから来年の導入に向けて、だいたいのメーカーさんはある程度企画は立てていて、
BT搭載マシンを作りはじめている段階だと思いますよ。
―そうなんですね! ではその日が来るのは期待して待ちたいと思います。
実はBT以外にも大きな変化が!
―では、BTのお話はこれくらいにして。実はまだお聞きしたいことがありまして。
A:はい、なんでしょう?
―警察庁のHPで解釈基準の変更について掲載されていると思いますが。なにやらBT以外にも変化するものがあると聞きまして。ウワサではBluetoothがOKになるとか。
A:はい。ですね。イヤホン。
イヤホンがオッケーになります。
―それはもう今から申請するモノもOKということですか?
A:はい。大丈夫です。
Bluetoothでもいいし、有線でも大丈夫ですよ。
―ほう。どちらでもOKなんですね!
A:はい。ただBluetoothって遅延があるんですよねぇ。
―え? そうなんですか?
A:普通に0.2秒くらいの遅延はあるんで。たとえばレバーONのスタート音とか(笑)。
―それだと毎ゲーム遅れ演出が発生してるみたいになっちゃいますね(笑)。
A:そうなんですよ。スロは有線になるのかなあ。ただ問題もあって。イヤホンってものによっては周りの音の遮音率が低いんですよ。だからイヤホンしても隣の人が爆音だとそれが普通に聞こえちゃって自分の音が聞こえづらいことも。
―あれ、そうなんですか?
A:なので遮音性が高くて、 ガチガチの高級ヘッドホンみたいなモノとかだったらすごく快適になるかもしれないけど。100均のイヤホンみたいな、普通に音が入ってきちゃうやつだと遊技環境的にはマイナスになるかもしれません。
―なるほど。これってパチンコも同様ですか?
A:はい。パチンコも同様です。
―では今後はイヤホンが主流になるでしょうか?
A:そこはどうでしょうか。みんながするんだったら自分もしなきゃみたいな風潮になるのか。でもおじいちゃんとかするのかなぁって(笑)。
―それに有線のイヤホンって最近は少ないような…。周りを見てもワイヤレスの人が多いように思います。
A:まあ、今でも100均とかでは普通に売ってますけどね。あとは
今後ホール景品とかでイヤホン置かれたりするかも…なんて予想してます。
―ほう。
A:もしかしたらサービスのひとつとして無料でOKとかになるかもしれませんね。手袋みたいな感じで。
―わかりました。ではBluetooth以外に何かありますか?
A:もうひとつは
バックライトフラッシュとか、リール上に映像が出たりする演出に関する変更ですね。今まではレバーを叩いてから第3停止を押すまでは有効ライン上でランプが消えたり映像で隠れたりってのがNGだったんですけど。
―ですね。リール上に映像が映る場合でも有効ラインは見えてますもんね。
A:それが今回タイミングが変わって、レバーを叩いた後でも停止ボタンが有効ではない状態、例えば
擬似遊技中だとかフリーズ中とかリールアクションしてる間は視認性が変わっても大丈夫になったんですよ。
―なるほど。その間は有効ラインが見えなくなっても問題ないということですね。
A:だからスペックが変わるとかそういう話ではないです。まあ、より演出の自由度が広がったくらいにとらえてもらえればと思います。あとはハード的な部分の話ですかね。プレイヤーには全く関係ない部分なので、ここで解説する意味もないかなと思いますよ(笑)。
―承知しました。
A:そんなとこで大丈夫でしょうか。
―はい。ありがとうございました!
インタビューを終えて
今回は開発者から貴重な話を聞く事ができた。BT搭載機がどんなものになるのか。イヤホンを使った遊技が一般的なものとなるのか。実際にどうなるかはわからないが、
未来の遊技機がさらなる進化を遂げて我々プレイヤーを楽しませてくれるのは間違いない。その日が来るのを期待して待つとしよう!