「なんか、判別に使うセグみたいな形ですよね。機種名ってことは何かの確変セグだったり…。」
スマホで確変判別ツールを触りだす助六。手当たり次第にセグを入力しているみたいだ。
(いや、そういうことじゃない…)
今回出されている問題は、どちらかといえば知識を求めている類のものではない。必要なのは閃きのようなものだ。何か見方を変えるきっかけが欲しいのだが…。
「ああー、全然わかんないや。何が隠れているっていうんだよ!」
(隠れている…そういうことか!)
最初から答えは問題文に書かれていたのだ。見た目通り、これはいわゆる7セグの羅列。一つ一つが「8」の字を形成しているわけだ。画面に表示されているのが「点灯セグ」ならば、隠されているのは「消灯セグ」。つまり…
「答えはハナビだ!」
急に叫んだ答えに、何でという顔をする助六。解説したいのはやまやまだが、今は時間が惜しい。まずはトニーに電話を掛け直すのが先決だ。
「要する、点灯しているほうじゃなく、消灯…あっ、トニーか? 答えがわかったよ。ズバリ『ハナビ』だ!」
「あ、正解です。」
勢いよく答えたのにも関わらず、素気のない返事が返ってくる。確かに、トニーは問題を知らないのだから、それを頑張って説いた私の苦労も知る由はないのだが。
(やはり、トニーは何も知らないのか?)
しかし、トニーは黒幕らしき人物の名を知っている…そしてついに、その名前を聞く時がきた。
「さぁ、トニー、今回の件を頼まれた人の名前を教えるんだ!」
「今回の件を頼んだのは…」
トニーが名前を言おうとした瞬間、バタンと軍団ルームのドアが開け放たれる。急な音にびっくりして振り返ると、不敵な笑みをたたえた軍団長がたたずんでいた。
「…レビンさんです。」
トニーの告白にタイミングを合わせるかのように登場したスロマガの攻略軍団長。電話から流れてくる賑やかなお店の雰囲気とは真逆の張り詰めた空気が部屋の中には流れ込んできた。
…to be continued