謎解きはLINEの@で
第3話
おきてがみ。
「ああーわかんない!」

どうやら助六はギブアップしたようだ。

「助ちゃんも一緒に考えてよ。」
「だってわかんないんだもん。もっと小学生でも解けるような簡単な問題ならいいけど。パンはパンでも食べられないパンは? みたいなさ。」

(小学生でも解ける?)

その言葉が私の頭の中の暗闇をそっと照らしだした。

「ありがとう、助ちゃん。答えがわかったよ! 答えは『ヤセイノオウコク』…『野生の王国』だ!」

いまいち要領を得ていない顔をする助六に向かって、私はこう続けた。

「ほら、カタカナの周りに黒い印があるだろ? この方向の文字を答えていくんだ、50音表でね。」
「50音表!?」
「そう、『リ』の右上は『ヤ』、『ス』の下は『セ』…こうやって読んでいくと『ヤセイノオウコク』ってなわけよ。これなら小学生でもわかるだろ? まぁ、小学生が『野生の王国』を知っているかは別としてね。」
「なるほど。すごいよジャイさん!」

探偵漫画の主人公のように、推理を解説していく私。まんざらな気分ではないが、一つだけ気になることがある。

「でも、これが正解だとして、誰にどうやって伝えればいいの?」

そうなのだ。今までは優希なり、矢吹ライトなり、答えを確認できる相手がいたのに、今回はその出題者が不在なのだ。答え自体の辻褄はあっているので不正解ということは無いと思うが、どうも煮え切らない。

「そういえば、ジャイさん。1個気づいたことがあるんだけど…。」

何か言い出しづらそうにする助六。少し間を空けた後に、口から出た言葉は予想外のものだった。

「犯人が分かったかもしれない…。」
「え!?」

クイズでは散々だった助六から、まさかの犯人特定発言。にわかには信じがたかったが、まずは助六の声に耳を傾けることにする。

「実は、この封筒の宛名手書きでしょ。この文字どっかで見たことあるなぁって思ってたんだけど、さっき思い出したんだ。」

確かに、問題自体はパソコンで作られたものだが、封筒の宛名は手書きである。それもよく見ると少し特徴のある文字だった。

「早く言ってよ、助ちゃん!」
「いや、謎を解いた後にしっかり伝えようかと思って…」
「まぁ今怒ってもしょうがないや。で、それは誰なの?」
「たぶん、これを書いたのは…」

助六の口から出された名前は、意外な人物の名前だった。

…to be continued