雨が降る。
「答えは…[三]だ!」
自信満々に3本の指を突き出すジャイロに、拍手をする優希。
「正解です。なかなか勘が冴えてますね!」
「勘なわけあるか! 3(三)を入れれば、SANYO(三洋)、SANKYO(三共)、サンセイ(三星)ってどれもメーカーの名前になるんだろ。業界歴何年だと思ってるんだ!」
大声でまくしたてるジャイロを前に、なおも冷静にこう続けた。
「ま、そうですよね。ジャイさんならこのくらい解けると思っていましたが。ま、しょうがないです。」
完全に会話の主導権を握る優希。
「しょうがない、って?」
「こんな問題、ジャイさんなら瞬殺だと思ったんです。でも、出さざるをえなかったんです。」
その言葉に、何か大きな事情を嗅ぎ取ったジャイロ。ただ、それが何なのかはさっぱり見当がつかない。
「誰かに頼まれたのかい?」
「それは言えません。でも、ジャイ論LABOなんてものはもう無いんです。無くなったんです。」
「無いわけないじゃないか! ほら、今もこうやって原稿を…」
そう言いながら、慌てて軍団ルームに戻るジャイロ。大きな音を立ててパスワードを打ち込み、スリープを解除する。しかし、さっきまであったはずの「ジャイ論LABO04.doc」のファイルはデスクトップのどこにも存在しなかった。
…to be continued