そういえば、今日は朝から雨が降っていた。耳を澄ますとかすかに雨音が聞こえる。いつも賑やかで、雨音なんて聞こえやしない軍団ルームの中にはいつのまにかジャイロキャプテンが1人だけになっていた。
(……22時!?)
どうやら眠ってしまっていたようだ。隣で作業をしていたはずの優希やドテチンの姿はどこにもいない。そして、目の前のディスプレイにはまだ「ジャイ論LABO」のタイトルしか書かれていないワードのファイルが映し出されている。
パチマガ本誌で連載中の「ジャイ論LABO」。担当からは明日の朝イチまでに原稿を送るよう、口を酸っぱく注意されている。
終電まであと約2時間。できれば仕事は家に持ち帰りたくない。2時間で終わらせる自信はなかったが、とりあえずやれるところまでやろうと、起き抜けのやる気を奮い立たせた。
(えーっと、今回のテーマは……あれ、何だっけ?)
ついさっきまで書こうとしていたはずなのに、ジャイロは何故だかテーマが全く思い出せなくなっていた。
(ははっ、まだ寝ぼけてるのかな…)
何だかぼやぼやする頭の中をスッキリさせるために、顔を洗いに行くジャイロ。軍団ルームのドアを開けると、そこには部屋に戻ろうとする優希の姿があった。
「あれ、優希まだいたの?」
「ジャイさんこそ、まだいたんですか?」
「うん。ジャイ論LABOがまだ終わってなくてさ。」
ジャイロの答えを聞いた優希の顔が途端に曇り始めた。
「ジャイロンラボ…って何ですか?」
「何を言ってるんだよ。パチマガ本誌がリニューアルして始まった僕のコラムじゃないか。」
最初はからかわれていると思っていたジャイロだったが、優希は真顔で答える。
「ジャイロさんが本誌で連載なんか始められるわけないじゃないですか。面白い話なら、もっと上手にしてくださいよ。」
「し、失礼な!」
悪い冗談だと思った。しかし、冗談ではないらしい。
「え、えっ!? どういうこと!?」
「そういえば面白い話といえば、ある人からこんなクイズをもらったんですよ。ジャイさん解けます?」
「いや、今クイズとかどうでもいいから…」
急な展開に、苛立ちを隠せないジャイロ。しかし、そんなジャイロに優希はこう言い放った。
「一発で解けたら何かわかるかもしれませんよ?」
そのセリフに、何かの『意味』を感じ取ったジャイロは、差し出されたメモを食い気味にもぎ取った。
「…ちなみに、ジャイさんのチャンスは1回だけですが、ユーザーの皆さんは何回でも入力しなおしてOKです。今回は
漢数字1文字が答えですよ。」
「ん?? いったい誰としゃべってるんだ?」
突然あさっての方向を向いて話し出す優希に、すかさず突っ込むジャイロ。
「お約束ってヤツなので気にしないでください。それより、答えわかったんですか?」
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勢いよくメモを奪ったものの、しばしの沈黙が流れる。やはり起き抜けの頭がうまく回らないらしい。
「あれ、わかんないんですか?」
「うっ、うるさい!!」
優希の挑発に、ジャイロは苛立ちを隠せない。
「まぁ、そんなに難しいならヒントを出しましょう。カギを握るのはパチンコのメーカー名。脳みそのスイッチをオンにして、よーく考えればわかりますよ。」
その瞬間、曇り切っていたジャイロの顔に晴れ間が広がった。
「素敵なヒントをありがとう。ようやくわかったよ。答えは…」