旅の始まり
僕には才能も、特技も、何にもないんです。多趣味だけど広く浅くというのが基本で、子供の頃は何かに情熱を持て! って周りの大人によく言われたけど、正直そんなのクソ喰らえって思ってました。面白いと思えないものに、情熱なんて持てるかッ! ってね。
けどそんな僕でもパチスロにだけは深く深くのめり込みました。情熱とはちょっと違う気がしますが(笑)。
そんな僕に転機が訪れたのが去年の暮れ。大学を卒業してから働きもしないでパチスロばっか打ってた僕。自宅警備員。つまりニート。
その転機とは、そんな僕がパチスロの勉強(?)をするときいつも読んでいた、スロマガの編集部が編集部員を募集しているのを発見したことッ!
あ、あの憧れの編集部に僕も入れるッ! と思うが早いか、即座に履歴書を送ってました。
当然、書類審査ぐらい楽勝だと余裕をかましていたんですよ。履歴書をポストに入れた帰り道には、既に一次試験は何をするのか、なんてことばかりが頭の中にありました。
しかし予想とは裏腹に不合格の通知が届く。競争率20倍の壁は高かった…。
「何かの間違いだろ?」
と思いつつも、落胆しました。
でも次の瞬間。
あんな紙切れ一枚で僕のパチスロとスロマガへの熱意が分かるわけがないッ! …そ、そうかッ! これは編集部からの隠されたメッセージだ。これで諦めるようなヤツなら編集部にはいらん、本当に熱意があるかどうかを試してるんだ! よしっ!
という勝手な妄想と、なにがなんでも採用されたいという思いから、それから二度、三度と履歴書を送り続けました。情熱的なアピール文を添えて。
実際、今思うとほとんど嫌がらせだよね(苦笑)。
とまぁ五度も履歴書を送ったけれど全く連絡は来ない。やっぱり僕のようなスロニートの願いなんて、叶うわけがないのだろうか、と多少落ち込んだけれど、挑戦しないわけにはいかなかった。この機会を逃したら、きっと「働こう」という意思そのものがなくなるような気がしたのです。
履歴書を送っているだけではラチがあかないので直接編集部に乗り込み、鬼の谷藤統括部長に直談判。とはいえ、やはり鬼と言われるだけあって、そのプレッシャーは尋常じゃないッ! 「ど、どうしてもスロマガに、ははは入りたいんですッ!」僕の熱意を伝えるも、こんな震えた声では統括部長の心には届かない…。
それでも挫けず、何度となく編集部に足を運ぶうち、ついにチャンスが到来したッ! あの鬼の谷藤統括部長とこちらに歩いてくるのは、いや、いらっしゃるのはッ! しゃ、社長!
僕はこのチャンスを逃さなかった。ここぞとばかりに、どれほど自分がパチスロを好きなのか、如何に自分がスロマガに入りたいか、それを熱烈にアピールした。もしスロマガに入社できるのなら、どんなことでもやりますから、と。
社長はひとしきり僕の話に耳を傾けてくださり、僕の願いを聞き入れてくださいました。
ただし、その条件がこの一年間の旅だったと言うわけです。
誰もが無理だよ、やめとけ! って言うけど元々ゴミクズみたいな野郎だったから、こんぐらいやってやる! ってかこんなことやるぐらいで憧れの編集部に入れるんだったら誰でもやるよね?
…ま、まぁとにもかくにも僕はやるぞ! 男にはやらなきゃいけないときがあるんだッ! それは今ッ! ナウッ! 僕は男だッ! 男だぞぉぉッ〜! ……でも、ホントはちょっと不安だったりして…。
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