徒然草 徒然草
≫年末年始特別編について≪

POKKA吉田
「POKKA吉田的 心温まる話」
以前twitterでも呟いたのだが、ホールスタッフのきめ細かい対応。数は忘れたが、完全等価交換の店で流した玉が「あと一個で端玉ゼロ」になるという数字。スタッフと私の目が合って、スタッフは「少々お待ちください」と私の遊技していた台の席まで戻り、下に落ちていた玉を一つ拾って笑顔でジェットカウンターに流してくれた。金額云々以前に、このスタッフは凄いと本当に感動した。

対応としても実は完璧に近い。その辺に落ちている玉は、本来私が遊技していた玉である可能性は極めて低い。「他人が借りたor出した玉」を自分のものとするのは、細かいことを言えば問題がある。だがこのスタッフは、私の遊技していた台の席周辺で拾ってきた。稼働的には閑散としていた甘デジ系のシマなので、そこに落ちている玉は私の玉である可能性が極めて高い。かくして、優秀なスタッフの機転が私の心を和ませた瞬間であった。

かなり前のことになるが、新鬼武者が大ヒットしていた頃のこと。「今日こそAyuを聴きたい」などと思って鬼のシマに向かったら席が空いてない。ぱちんこシマにでも行くかと思ったが、シマの端っこを見て驚いた。病院のストレッチャーのようなものに横になっている人が、おそらく身体に障害があるのだろうが、指を差したりしている。その指示を受けて、ひたすら新鬼武者を遊技している人がいる。遊技する人は、ほぼ毎ゲームのように後ろを振り返って指示を確認。おそらく「障害のある人が遊技したいのだが自分ではできないため、友人か家族に代わりに打ってもらっているが、自分で打った気になるように指示を出している」のだろう。

さらに驚いたのは、その光景を他の客、そしてスタッフも、日常の風景のように受け入れているということ。誰もストレッチャーを「邪魔だな」という顔をすることもなく、スタッフが時折ストレッチャーに横になっている人と談笑しつつ、当たれば喜び、ハズれるとムスっとする。こういったことはイベント(障害者を招いて無料遊技させたり、福祉施設に遊技機を寄贈したり等)ではよく見る光景なのだが、日常の、しかも平常営業において当の本人、周辺にいる他人であろう客、スタッフらが許容しているというのを目撃したのは、その時が初めてであった。そこまでして打ちたいというその人の想いよりも、そこまでして打ってるこの二人組を他の客がはっきりと許容していたことに感動を覚えたものだ。

これも少し前のことだが、知人のホールオーナーの店の話。ずいぶん前から車内乳幼児放置死亡事件の対策のため、ホールスタッフらが駐車場を巡回することが全国的に実施されている。私の知人の店のスタッフが、駐車場巡回時に車の中に生き物を発見した。なんと「犬」である。

人ではないのだが、巡回で犬を発見したスタッフは上司に報告した。しばらく検討した結果、その車が常連客のモノであることもわかっていたので、常連客に話をしてその日は犬を事務所で預かったという。犬でも人間でも車内の状況によっては死に至る。犬を救ったこの店は、常連客に「今度ぱちんこに来る時は犬を車の中に入れないで」とお願いしたという。

こんなことも。私は喫煙者なのだが、その日、タバコはあったのにライターがなかった。遊技中であり、しかも出玉を持っていたため、カウンターに向かってスタッフに聞いた。「ライターの景品ある?」と。すると、その店は景品ラインナップにライターがなかったのだ。切らしていたのかそもそも置いてないのかわからないが、「え? なんでライターがないの?」とカウンタースタッフと会話をしていたら、その店でいつも見かける常連客のおばあさんが、「もうそんなお嬢さんを困らせないの。ライターなら私のをあげるから」と100円ライターをくれた。

私はクレームを言っていたわけじゃなくて、純粋に「禁煙店舗でもないのにライターを景品で用意してない店なんてあるのか?」と疑問に思って問答していただけなのだが、その様子を見ていたおばあさんには私がカウンタースタッフの女の子をいじめているように見えたのだろう。もちろんおばあさんには丁寧にお礼を言ったが、そのカウンタースタッフもカウンターから出てきて、おばあさんに深々と頭を下げてお礼を言っていた。


……などなど、そりゃあね。不肖の私でも今まで四半世紀以上ずっと遊技してきているわけで、探せばこんなネタは山ほどありますわ。だが、なんとなくこの徒然草特別編の趣旨には反するかもしれないけれど、実はこんなことはどうでもいいんです。

「ぱちんこが好きで打ちに行ってるんだから、好きな機種を打ってる時にココロアタタマレや」という話なんです。

そういう意味では、今年ココロアタタマッタ機種は、おそらく皆さんとは違うけれどこんな感じ。

●仮面ライダーV3甘
●化物語(ぱちんこだから念のため)
●デジハネ蒼天の拳ST
●北斗の拳6

だって、俺、今の仕事してなかったら、ただの一介のヘビーユーザーなんだもの。ホールの接客になんにも求めないし、話かけられるのも猛烈に嫌い。だから来年も「遊技するだけでココロアタタマル機種」をメーカーは出してくれと思うし、ホールはそういう機種を導入してくれよ、と思うだけだ。特に化物語は自宅近隣では壊滅しかかっているんだよね。

ということで、「打つだけでココロアタタマルのが真のヘビーユーザーだ」と勝手に結論付けて、了とするか。

(POKKA吉田)
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