徒然草 徒然草
≫年末年始特別編について≪

nanami
「関西のおばちゃんと共に」
これは去年の夏の出来事。まだ私が関西に居た頃のお話です。

その日はどうしても朝イチから打ちたい機種があり、「這ってでもホールに行く!!」という勢いでした。ただ、この頃から私は夜型人間で、朝に弱いのなんの。でも、この日だけはそんな事も言ってられません。目的のお店は並び順入場で、割と早い時間から並ぶライバルも多いのです。

何としても打たなければならない……そう思いながら家を飛び出し、タクシーに乗り込んだ私。すると、タクシーの運転手は陽気なおばちゃんでした。

運転手「おはようございます。朝早いのに、お客さんどこ行きはるん?」

私「パチンコ屋の○○○○までお願いします」

会話を進めていくと、どうやらこの運転手さんはハネモノが好きらしい。というか、むしろハネモノしか打たないらしい。理由を聞くと、液晶付きの台は目が疲れちゃうから好きじゃないとの事。

そんな感じでパチンコ話で盛り上がっていると、ホールまであと半分くらいというところで、運転手さんが突然ポケットをガサゴソし始めました。

運転手「ほら、これ食べとき!」

何かと思えば、差し出してくれたのは「黒飴」。さすが関西のおばちゃん…抜け目ない。そんな優しさを受け取り、その後もパチンコ話は続き、車内は楽しい雰囲気に包まれていました。

10分ほど経ったところで、ようやくホールに到着。タクシー代を支払う際に私はピッタリ出したはずなのに、今度はカバンの中をガサゴソし始める運転手さん。何かを探している様子です。

運転手「ちょっと待ちやぁ」

何の用があるのかさっぱり分からない私の頭の上には「?」マーク。すると、運転手さんは小さめの巾着袋を取り出し、「塩飴」を差し出してきたのです。それも3つ。

運転手「今日はめっちゃ暑いからな。これちゃんと食べときや! ほんで頑張っといで!」

やはり関西のおばちゃん…抜け目なかった。朝からパチンコを打つ人に対して笑顔で接し、「頑張っといで!」と見送ってくれる…。

私「いってきます!」

心が温まった私は、笑顔でタクシーを後にしました。そして、並び中の暑さを耐え抜き、無事に台を確保する事に成功。

その日の夜。家に帰る頃には、結局お財布の中が空っぽに…。しかし、ポケットには入れたまましていた「塩飴」が3つ残っていました。体温で少し温かくなった塩飴を見て、あの運転手さんを思い出したのでした。

(nanami)
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