パチンコで勝つ方法言えば「良く回る台」を打つ事。より回るほどに期待値が上がるからです。ボーダーラインが千円20回転の機種で、もし30回転もあったら確実に勝てるでしょう。確実どころか大勝ちです。しかし仮に30回転の台を1万円程度打ったところでまず勝てないでしょう。勝てないどころか初当りを1回も引けないかも知れません。勝つためには期待値だけではなく試行数も必要です。当たり前すぎる話でスミマセン。
では、なぜ試行数が多ければ良いのか。それは抽選結果を収束させるため。よく「確率は収束する」とか「収束しよう(させよう)とする力が働く」と思っている人がいますが、それは間違いです。多くの試行を積み上げれば、結果論として収束していくように見えるだけの話です。収束に関する話は後半で続きをします。
こういう話をしておきながら、わしは難しい計算式や数学が嫌い…というか苦手です。中学の数学は3か2ばかりでした。高校では3年間ずっと1でした(笑)。でも簡単な計算で答えを導き出す事は好きなのです。小学校の算数はずっと5でした。
たとえば、稼働データをエクセルのフォーマットに入力して期待値や運指数を出したりするのは嫌いです。ボーダーの算出も同様で、誌面に書かれた千円○回転という数字も参考程度にしか留めません。楽をすると身に付かないというか、アホなので自分の力で計算して覚えたいのです。
打つ根拠の全てを数字に委ねるのがパチプロ生活なので、自分で計算…というか暗算で瞬時に出せないと応用が効かないと考えています。いろんな公式や誌面のボーダーを基準値として一旦丸暗記しておいて、現場の状況を加味した補正を暗算で出すのです。携帯や電卓は極力使わないのがコツ。基本は単純な掛け算や割り算だけなので毎日やっていればオール1のわしでも出来ます。
たとえば以前、本誌で紹介した「連チャン数の期待値」の算出方法。これは「1」を単発の割合で割るだけ。確変率80%なら通常は20%なので「1÷0.2」で平均5連。確変70%なら3.3連、90%なら10連です。これなら九九さえ出来れば誰でも暗算可能ですのう。
では、STタイプの場合はどうでしょう。連チャン数の理論値を出すためには連チャン率を先に出す必要があります。これは関数式なので大ざっぱな答えを暗記しておきましょう。確率と回転数をあてはめるだけOKです。例えば1/100の確率を100回転させた時の連チャン率は約63%。6割と覚えましょう。逆に見れば100回ハマリを喰らう可能性は37%と言えます。STだけでなく通常時でも時短でも一緒。1/300でも1/400でも数値はほとんど変わらないので、丸暗記しておくと非常に便利です。
ついでに覚えておきたいのは、確率の7割を回せば50%で当たります。確率の5割なら40%、3割なら25%、確率の1割なら10%です。覚えやすいように四捨五入してますが、だいたいこんな感じ。ついでに確率以上に回した場合も覚えましょう。2倍回せば87%で当たります。3倍なら95%です。ロングST機の連チャン率もこれでザックリ計算できます。これも逆に見れば、2倍ハマリを喰らう可能性が13%と言えます。ミドルスペックの千ハマリ(3倍ハマリ)は5%なので、初当りの20回に1回は遭遇する計算です。これらの連チャン率さえ分かっていれば、連チャン数は先述と同じやり方です。
これらの計算方法は、どんな確率でも応用できるのが便利なポイント。甘海のST確率1/10でもMAX機の時短中1/400でもほとんど同じなので、あらゆる機種で使えます。
さて、ここで表題の件。確変率80%のバトルスペックと、一昔前の安定感スペック確変50%ではどちらが収束しにくいでしょうか。答えは意外にも後者です。数学的な説明は省略しますが「80:20」のような両者の値に開きがあればあるほど、比較的少ない試行で表面スペックに近づきます。しかし、現実には連チャン率が高いと爆裂して当たり前ですし、初当りが単発だったらショックも大です。そのせいで暴れる印象がありますが、理論上はそれほどでもないのです。
逆に50%が荒れる理由。先ほど「どんな確率でも使える」と紹介した関数値ですが、1/2の場合だけは例外なのです。パチンコの大当り確率が1/2というのはないので、コインの表裏に置き換えてみましょう。分母の半分である1回で当たる確率は50%、1回ハマリの可能性も同じ50%。前述した関数値通りなら、当たる確率は40%、ハマリは60%のはずですが違ってますよね?
コインの2回連続ハズレの確率は25%、パチンコの確率なら37%。とにかく確率が1/2の場合に限り、例外であると覚えておいて下さい。そして収束の話ですが、膨大な試行数に満たない時点では「50:50」のように差が小さいほど、初期の偏りが解消されにくいのです。既に偏った時点からでも両者が均等に増えていくので、確変率50%は80%より収束しにくいと言えるのです。あくまで1日単位とか短いスパンに限れば、丁半博打と同じなんですのう……。
(アンドレ)
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