12月某日、私のもとにとある男がやってきた。彼の名はY、静岡県で一家5人を養うサラリーマンだ。 彼と私は同い年で、十数年来の付き合いである。
Y「今年最後にパチスロで勝たせてくれよ」
彼は根っからのパチンコパチスロ好きで、仕事と育児と家族サービスをこなしながら月に5日前後打ちに行っているらしい。大したものである。
そして気になる収支だが…今年は6万円ほどのプラスらしい。たくさん勝てているという訳ではないが、小遣いの中で遊べているという感じだろう。そんな彼が、たまの休日を使って東京に打ちに来たという訳だ。
彼と共に向かったのはA店。この日は「6台並びで設定6が複数箇所」という法則がある。はっきり言ってかなり強い日だ。
Y「マジかよ、設定6…!? 4とか5じゃなくて、6…!?」
普段からパチスロで頑張っている彼になんとか勝ってもらいたい──そんな思いでこのホールをチョイスした。抽選でクソ番さえ引かなければなんとか戦えるハズだ。そして彼が引いた番号は…
437/450番
クソ番だった。
下手したら何も座れない可能性もあるので、ここはホール移動を選択。すぐさまタクシー拾ってYを乗せ、私はチャリで次のホールへ。
2店舗目。このホールは全5・6機種&3台並びで設定5・6といった法則があるお店。先ほどよりは多少見劣りするが致し方ない。今日はここでなんとかするしかない。
Y「さすがプロはちげーな、朝からタクシーでパチ屋移動とか初めてだわ」
いや、別に私だってタクシー使いたかったわけじゃないが、都内でしか体験できないことだと思うのでヨシとしておこう。
朝イチは2人ともスマスロ北斗の拳からスタート。3台並びで設定5・6狙いなのだが、座れたのは2人ともカド台。基本的に並びイベでカドは避けたいところだ。
そして、私の台は打感も周囲の挙動も良さげには感じないので、150Gで早々にヤメ。
Y「え? リセット150Gとか期待値あるんじゃないの?」
あるけれど、これを打っている間に当たり箇所が埋まってしまったら今日は終わりなので、無いと思ったら300Gだろうが400Gだろうがヤメてよし。期待値を意識するのはもう打てる台が無いときだけ。あ、500G超えたらさすがに打っても良いかもね。
私はL炎炎の消防隊へと移動して1回当てたのち、L押忍番長4へと移動。するとこれがRB後に確定対決らしき挙動でATに繋がるなど、良さげな挙動を見せる。
こうなるとYに隣を打って欲しいところだが、まだ設定推測している段階なのであまり勧めるのもな…などと思っていたら、北斗で単発喰らったYがやってきた。
Y「北斗ダメっぽいから俺も番長打つわ」
これは助かる、今のパチスロは設定推測が難しいので、稼働が上がってくれることが何より嬉しいのだ。情報共有できると尚良し。
てことで打ち進めると…今度は逆さ富士モードに、再度RB後の確定対決らしき挙動を確認。いやこれは感じるぞ。
しかし、ここで一つの懸念が生まれた。相手はスマスロ番長4、お世辞にも安定して勝てる台とは言えない。設定5・6でタコ負けすらあり得る。果たしてYは無事静岡に帰れるのだろうか。