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パチマガスロマガ
永浪のパチプロ最終出口

37番出口:取りこぼしの自覚

東京から望む富士
冷たく硬質な空気が、春に向けて徐々に緩み始めるこの頃。むろんそれは一直線に進むわけではない。行きつ戻りつ三寒四温を繰り返しながら、しかし確実に日も伸び始めている。

東京には富士山が望める坂や丘が多数存在する。秋田出身の僕は、東京に出てきてからもしばらくの間は富士山までの距離感が掴めずに、恥ずかしながら東京の街中から富士山が見えるものとは思ってもいなかった。だから「富士見町」のような地名に織り込まれている富士山も意識することがなかった。

今はビルなどで見えなくなってしまった所も多いが、本当にそこから(例えば富士見橋などから)富士山が見えるのだと認識するようになったのは、多分15年くらい前からだと思う。

若い頃は、自分の住んでいる東京の景色景観にまるで興味を持てなかった。生活は今よりも夜行性だったし、せいぜいが40〜50メートルも先まで見えたら十分という、まるでモグラのような生活をしていた。それに対して特に疑問に思うこともなかった。

しかし今は違う。それが良いのか悪いのかはわからない。年齢なのかもしれない。近所に富士山を望める坂があることを今の僕は知っている。

先日、中途半端な台を打って、中途半端な時間に終わってしまった日があった。夕方の17時くらいだっただろうか。まだ早いので駅2つ分歩こうと、帰路にその富士見坂経由のルートを選んだ。歩きながらぼんやりとモヤモヤする気持ちを消化したかったのかもしれない。

視線を遮る建物が消えた瞬間だった。


永浪

薄ら雲のベールを纏った富士山が、燃えるような夕陽に輪郭だけをはっきりと縁取られ、その夕陽の位置からまるで後光が刺しているかのような状態で目に飛び込んできた。

スマホを見ると時刻は17時をすこし回ったくらい。日没は17時半くらいなのだろうか。空気の柔らかさといい、その時にふと「春は近いな」と思った。


棘は気にすることに意味がある
さて稼働の方ではあるが、いつも行っている店が先週ようやく今年初めてのまとまったアケと言える状況になった。まとまったというのはこの場合、一度にたくさんということではない。4〜5日続けて良い状況をキープしたと言うことだ。

しかしこちらの都合で、打てたのは時間で言うと6割くらいだった。僕の昔気質な打ち方だと、基本的には暇な方が有利だ。暇と言うかパチンコを第一に朝から時間を使う立ち回りが有利になると言うことだ。

だがパチンコはあくまで生業であり、必ず打たなければならないものではない。もちろんずっと打たなければ立ち行かなくなってしまうが、状況によってはもっと優先させる事も出て来る。それは仕方がない。

10年くらい前まではすこし感覚が違った。ホールに行けばなんとかなるという感覚が今よりも強かった。むろんどうにもならない時も、もちろんあった。しかし多少我慢したり努力すればどうとでもなるといった感覚は強かった。

しかしここ10年で少しずつ変わっていった。もし打ち切れなければそれは棘のように心というか記憶に刺さり、長いことささくれ立って引きずってしまっていた。いつでも取り返せるという気概はどんどん薄れていった。

そんな気持ちに相反して、それを壊したくなる衝動も出てくる。北海道の言葉で言えば「ワヤにしたくなる」気持ちだ。優秀台を敢えて捨てて昼から酒を呑んでやりたくなる気持ち。「月曜から夜更かし」ならぬ「月曜から昼酒」をしたくなる気持ち。

しかしそれは棘を意識しているからこその気持ちだ。パチンコの上に自分のエゴ、なんでも良いのだがその場の欲求をどうしても乗せたくなってしまう。積み重ねたパチンコのロジックを一時的に表面上だけでも壊したくなってしまう。棘が刺さってしまうということを意識し過ぎて気にし過ぎて、どうしてもそれを壊したくなってしまうのだ。

だが今のハネモノでは優秀台とはコンスタントに探せる台ではなく、言わば間違えて見付けてしまうようなものになってしまった。なのでそのささくれも今の期待値を考えると、もはやどうでも良くなってくる。そしてささくれにも気付けなくなる。そうなるとそれを、壊したくなるという相反する気持ちにすらならない。

しかし元々は所詮こんなもんだよな、との思いもあるのでややこしい。まあ塩梅を探りながら適当にやっていくしかないのだろう。


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