釘の話をここで具体的にあまり書けないので、なんとなくで汲み取って欲しい。左1チャッカーの風車下の左右の2本釘。ここは大きい方が玉はハカマに絡みやすい。彼はそこがすこし変化していたから打っていて、「推定1.5回〜くらいは鳴きが上がっている」と言うのだ。

ここまで読んで皆がなるほどな、とは納得はしないと思う。これが正しい正しくないという話ではない。こんなことは釘のイロハだ。
毎日パチンコを打っているくせにそんなところもチェックしていないのかと思われたのではないだろうか? 最近でも和泉さんはそこら辺もちゃんとやられてはいるが、かつての攻略誌のように矢印を付けるならば、たいていは左の釘は左上に、右の釘は右上になっているだろう。
ここからが本題になる。もちろんそこの釘は基本ではあるのだが、では毎日チェックしているのかと言われると実はやっていない。何故やらないのか? それは僕が通っているホールではほとんど動くことのない釘だからだ。
しかしなかなか動くことのない釘ではあるが、たまには動くことはある。たまに動くとはどんな頻度か? ちゃんとチェックしていないので断定は出来ないが、動いたとしても年に4〜5回動くのならばよく動く台と言えると思う。動かない台は1年動かないこともあるだろう。そんな頻度だ。なので思い出した時にチェックすることはあるが、毎日見ているわけではない。
ちなみにこれはあくまで僕がよく行くホール辺りでの話だし、店によってはもっと頻繁に動くところもあるだろう。ただ一般的にはあまり動かない釘だとは言えると思う。デジパチで例えるのならば道のコボシとか風車上くらいのイメージ。
動く頻度がレア故に忘れがちになってしまう箇所。しかしパチンコ打ちはそんな細かいところをいちいち拾い上げて、すこしずつ期待値を積み上げていくものだと思っている。
だが動く頻度が少ないため、そもそもレアケースに備えて見ておかなければいけないということすらも忘れてしまう。そして形状も忘れる。ならば忘れないために数値化するなりして、メモを残しておかなければ覚えていられない。僕も一発系を打ち回っていた頃はそうしていた。
しかしハネモノのジグマを始めてからは釘を記録する事はやめた。毎日同じ店(数軒でも)に行くのならば、その程度はなんとかなるはずだと思っていたのだ。所詮たいした期待値にならないハネモノ、と舐めていたところもあったのだろう。
しかしハネモノの釘のチェックポイントは他のどの機種よりも多い。最初に「愕然とした」などと大袈裟に書いたりしたが、前々から見落としは多々あったのは自覚していた。上の知り合いから言われて見落としに気付いたこともすでに何度かあった。
それでもやらなかった。何故かと言えば一番の理由は時間が掛かってしまうからだ。今でも朝一から行って客が多いとまずは落としの命だけバーっと見て歩く。その後にまた端から客の付いていない台のネカセと拾い付近を見る二段構えでチェックすることが多い。ダメならばその後早めに他の店へと流れて行かなければならない。1台につき数箇所すべてチェックするのは、実は結構時間が掛かるし面倒くさいのだ。
そして僕の場合、記録する方法にも問題がある。パチンコの記録はすべてスマホのメモのみなのだ。これでは時間の経過と共にどんどんと上乗せされて長くなり見辛くなってくる。スプレッドシートのようなものを早く使わなければいけないとは思っているが、いまだに使い方すらわからない状態。ぐちゃぐちゃのメモは、メモの役割をちゃんと発揮出来ない。なんとかしなければならない事案なのは間違いない。
そんな前々からわかっていた、前倒しにして見なかったフリをしてきたことが一気に露呈したような気がしたので「愕然とした」のだ。かなりの確率でまた放置するような気がしているが、ここが岐路だというぼんやりとした認識も、またある。
中上健次の短編集「千年の愉楽」の一編に、「眠っているような状態でぼんやりとしているうちに25(あるいは30だったか)まで生きてしまった」のような一節があったと記憶している。混然かつメタリックで野太い印象の短編集だった。
このような一文だったはずだが、チャットGPTに聞いてもはっきりしない。僕の聞き方が良くないのもあるが、原文に当たれないので一文だけを提示させることが出来ない。本棚にも見当たらないので確認の仕様がない。
いったい何を言いたいのかと言えば、僕のパチンコ生活も振り返ればまさにこの一文のようだったということだ。人様に言えるようなはっきりとしたものは何も無い。ぼんやりしているうちに、気付いたらこうなっていた。
そしてこの呪縛のようなものから逃れられるのは、いっときでも自由になれるのは、好奇心くらいしか思い付かない。パチンコに関する好奇心、探究心。今年は、限りなく薄くなってしまったそれらが試されることになりそうだ。