あんまり昔の話をするのもアレなんですが、昔のパチ屋さんは設置機種のラインナップだけでもワクワクできるものでした。
よく知らない土地の古いパチ屋に入ると見たこともないような機種が置いてあって、なんだこれ! と詳しい知り合いに電話して教えて貰い「なるほどそういう台か」と腕まくりして打って勝ったり負けたりする。
ネットで調べるだけで設置機種が簡単に分かっちゃうような時代と違い、当時は「知らない店」に感じる冒険心が間違いなくあって、勝ち負けとは別次元で超楽しかったのです。
知らないホールの知らない機種。だからこそ「旅打ち」というのが物凄くロマン溢れるものでしたし、連休ごとにハンドルを握り、まだ見ぬホールを目指すのを趣味とする人が沢山いたとかいないとか。車やバイクが好きな人とパチンコファンの層が実はちょっと被ってるのはそういうことなのかもしれません。
とはいえこの方向の愉しみ方は、5号機移行と共にほぼ終了してしまいました。
機種がどうのとかそういう話じゃなくて「みなし機」の完全撤去を迎えたからね。
これにより各ホールのラインナップは一旦リセットされることになり、5号機黎明のカオス期間を除きほぼ「どの店に行ってもあまり代わり映えしないラインナップ」となってしまったのはご存知の通り。
以降、ホールは自店舗の特色をどうやって打ち出すかに頭を悩ますことなったのでした。
と、同じようなことは5号機から6号機への移行時にも起きており、長くパチスロを嗜んでるオッサンは都合二回もそんなグレートリセットをブチ喰らってます。なので今後も似たようなことはあるだろうなぁと覚悟しつつ今を楽しんでることでしょう。
はい、何が言いたいかというと「ギャンブル依存症」についてです。
先日、SNS上で「ギャンブル依存症」が疑われる人の月の平均使用金額が6万円だよ、というニュース画像が話題になりました。
騒ぎを見て最近放映されたニュースだと勘違いしてる人もいるかもしれませんが、これは厚生労働省による「ギャンブル依存症対策基本法」関連の研究結果報告なので、知ってる人からすると「なぜ今これが」みたいな感じかもしれません。なんせ2017年頃のニュースのスクショですからね。
んで、調査結果そのものについては置いといてなぜこれがいまバズってるのかということのみを抜き出して考えると、これがなかなか示唆に富んでいて面白い。
要は2017年当時と今の「6万円」という数字の重みの違いというか、当時のパチンコ・パチスロと今の機種の射幸性の違いというのがモロに出てるんじゃないか思った感じです。
だって当時は別に「依存症の奴は月に6万も負けとるぞ」って言われても、そこまで違和感は感じなかったんですね。
もちろんもっと負けてる人は一杯居たと思いますが、そういう人は往々にして「使って良い金」で遊んでたハズ。
なんせ当時は5.5号機の全盛期。10月には悪名高き5.9号機がデビューした年です。件のニュースは9月末の放送だったようなので、ちょうどビタで「パチスロの未来が死ぬほど暗かった頃」に該当。
とにかく機械性能がギャンギャンに締付けの方向にあった時期なので、パチスロという遊びそのものが「中毒患者が必死こいて万券をぶち込むようなもの」じゃなかったんですね。
したがって「6万円」という数字にもそれなりのリアリティがあったわけで。
どっこいそれから8年が経った現在、当時の機種が鼻クソにしか見えないような進化をスマスロが遂げて、改めて「6万円」という数字を見ると「んなワケあるかい」「一日の種銭やんけ」みたいな印象がめちゃめちゃ強く、実際SNSではまずそこを突っ込む人がめちゃ多い。
このあたりの隔世の感が、この画像が改めてバズった理由なんでしょうが、よくよく考えるとこれは結構コワイです。