永浪
基準の個人差
子供の頃見た幻覚
まだ小さい頃の話だが、発熱したときに解熱剤を服用すると必ず幻覚を見た。小学生くらいの記憶なのでそれが本当だったのかはもう検証のしようがないが、見えてしまったという記憶は消せない。
表面温度6000度に達する溶岩のようなモノが部屋の天井からゆっくりと垂れてきて高熱の氷柱をつくる。コールタールで出来たヘドロ状の化け物が部屋の隅で後向きに体育座りをしている。そして首を少し傾げて、暗い眼でこちらを藪睨みしたりしている。断片的な記憶だがこんな幻覚を見た覚えがある。
小学生くらいなのだから幻覚ではあるとの認識はあったと思うのだが、はっきり見えてしまっている以上はもう恐怖でしかない。
一昔前に子供が服用してパニックを起こし部屋の窓から飛び降りたりしたというタミフルなんかも、おそらく解熱剤の一種なのだろう。
僕も小学生の頃、幻覚の恐怖に窓から飛び出して雪の中裸足で町内を一周したことがあった。なのでなんとなくだが感覚はわかる。途中で我に返った時の足の裏の冷たさたるや…パジャマの裾を伸ばして踏みながらなんとか家に戻った。当時住んでいた家が平家で本当に良かった。
こう見えた、というのはそれくらい絶対に近い認識だ。意識してはいないがそれくらい視覚に頼って生きているのだろう。6000度の氷柱の様なモノなんてどうやったら温度がわかるのかとは我が事ながら思うが、視覚も結局は脳認知の話なのだろうから仕方がない。
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