ある12月の……
「もう1個だけ見たい! これで最後にするから!」
今年5歳になった息子が、今夜も泣き叫ぶ。約束していた分のYouTube動画を見終わり、いつもの「もう1個見せて欲しい」というおねだりを断ったところ、急激に空模様が変化して土砂降りの雨と雷が鳴り響いた。
「あと1個で絶対に最後にするから!」
ウチの子はいつもこうで、YouTubeにしろ何にしろ「これで終わり」ができない。お風呂なんかもいつまでも入ったっきり出て来ない質だ。テーブルにはローストされたチキンとスープ、ビールやジュースが並んでおり、今まさにパーティーが始まろうとしている。
「今日だけ! あと1個だけ!」
『絶対に見せないからね』
「あと1個だけだから!」
コチラ側2人としては子供の成長の妨げにならないように睡眠時間を確保させたいので、就寝までのアレコレを極力スムーズに進ませていきたい。それ故、これまではこういう場面で「じゃああと1個だけだからね」と言って見せてきた。見せたとて、8割方「もう1個だけ!」となるのは分かっていても、だ。
「この動画、昨日からずっと見たかったの!」
たまたま前日に「このままだとわがままな子になっちゃうんじゃないか?」という相談を嫁さんとして、どうしようかなんて2人で首を捻ったりしていた経緯もあり、今回は絶対に見せないというスタンスを取ってみた。嫁さんも、それに沿った態度を取ってくれた。
「なんで今日はダメなの! 見たい!」
壁に貼った数枚のコピー用紙。@からFまでの数字には、各々に目標が掲げられている。そのFの欄を読み上げる。
F自分で言ったお約束を守る
『お約束守れるように頑張ろうね、パパ応援するからね』
「次からはちゃんと守るから!」
放っておくといつまで続くか分からないため、これまでは「じゃあホントに最後だからね」と見せて来たが、今回は折れない。幼稚園も冬休みに入っている。1時間でも2時間でも、待つ。
『お約束守れるように頑張ろうね、パパ応援してるからね』
子供の力では抜け出せない程度の羽交い締めにしてはいるものの、テレビのリモコンを握っているのは息子。見たければスタートさせるだけだが、それはしない。心の中では懸命に戦っているのだろう。自分でも感じてはいるのだ、お約束を毎回守れないことの悔しさを。
「じゃあお写真撮って」
・・・。
「明日見るから忘れないようにこの画面のお写真撮って」
初めて、自分でちゃんとヤメられた。ブレーキを踏めた。見通しの良い高速道路を走っていたランボルギーニが、"ピタっ"と止まる程の急ブレーキを。もうちょっと小さいことなら何度かあったが、ここまで拗らせた場面でのブレーキは初めてだ。頑張ったときにはしっかりと、ちょっと過剰めに褒めるようにしている。
『頑張ったなぁ! 見てたぞパパ! カッコ良かったぞ!』
抱きしめられた上に揺さぶられる息子は、満面の笑顔で「ねぇ〜、早くお写真撮ってよ」と言うが、もうちょっと揺さぶりを止めるわけにはいかない。パパの涙が止まるまでは。
今年も、一つの課題を乗り越えて、一年を終われそうだ。
パチンコの話
今年一年のパチンコ業界を振り返ろうと思い、前年の徒然草を見返して驚いた。とんでもなく前向きに2023年を迎えようとしていた。
…
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