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徒然草

POKKA吉田

【特別編】人生最高の日

たぶん振り返るとそのときそのときで「最高だ」と感じる日は多いのだろうけど、一つだけ紹介してみる。

それは2004年の5月か6月か7月頃のこと。日付は覚えていない。

私はこの年の4月から所属していたワークスネットという会社(今はない)を辞めてフリーランスになっていた。

といっても、何かすぐに仕事があったわけじゃない。貯金を切り崩しながら、仕事がないかもしれないという不安の毎日で、当時は呑むビールも発泡酒に変えていた。

不安の毎日なのに、仕事をもらうための営業は一切しない。というか、基本的に私は仕事をもらうための営業をしない人だ。

私はフリーランスになったときに一つの決めごとをした。それは「頼まれた仕事だけやる」というもの。それで生活が成り立たないようなら、この仕事から足を洗おう、と考えていた。これは今も同じである。

その日は、何も知らないところからやってきた。たしか一本のメールだ。

某WEBサイトの連載の依頼だった。

私が運営しているサイトのお問い合わせ窓口にメールが送られてきた。

久しぶりにギャラが発生するということで、かなり喜んだのだが、先に決めた「頼まれた仕事しかしない」という決めごと。喜んで即引き受けたら何か違うとばかりに、まずは担当者と打ち合わせをした。

都合2回は膝を突き合わせて打ち合わせ。そしてメールや電話のやり取りを経て、ようやく連載開始に漕ぎ着けた。

私にとっては、このときがはじめての「フリーランスの仕事」である。これをキッカケに同年終わり頃には、ぽつぽつと仕事も入るようになり、気が付けば発泡酒はバドワイザーに戻っていた。

その後、紆余曲折はあれど、所帯を持って今も生活できているのは、あの日があったからだ、と感じている。

まあ、それを言うなら、1997年10月末のある日も同じかもしれない。

この日は株式会社シークエンスに採用された日。私がぱちんこ業界に飛び込んだ日である。

みなさんも私も、楽しいこと嫌なことといつも向かいあわせで生きている。

初めて恋人ができたときは、この瞬間がずっと続けばいいと誰もが考える。初めて所帯を持ったら、この幸せがずっと続けばいいと誰もが考える。

しかし世の中は無常だ。ずっと続く幸せな時間なんてない。

だから、将来のことにつながる瞬間を大切にしたい。その意味で、今回はかなり地味な日を紹介してみた。

「人生で最高に舞い上がった日」とか「人生で一番笑った日」とか「人生で一番感動
した日」とか、実はたくさんみんなあるはずだ。

そのいずれでもない日が最高の日だったかもしれない、ということで今回のとても書きにくい特集稿としたい。

(POKKA吉田)
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