和泉純
【特別編】パチンコライター人生で最高の日
今回のお題は「人生最高の日」ということだが、それだと「猫が来た日」とか「ノーヒットノーランを達成した日」など、あまりにもパチンコと関係がないことなので、「パチンコライターやってて最高だった日」という感じでお話しよう。
これはもうかなり前、今でも「レレレにおまかせ」というハネモノがあるが、それの初代機が出た頃にあったこと。
当時から今のと同じような役モノで、SPルートから落下する4分の1がアツかったわけだが、それがどうにも4分の1にならない。最初の頃は「ツイてないな」ぐらいに思っていたが、かなりの試行回数になっても5分の1以下(正確な数値は覚えていないが)というあり様。
そこで俺はある仮説を立てた。いつも同じような位置に落下するのに、Vが良いタイミングにある時に限ってフワッと別方向に落下することから、V付近だけもり上がっているんじゃないかと。見た目はもり上がってないけどね。
ただ、この時点では当然のことながら「冗談半分」の仮説。仲間内で「〜なんじゃないのかなあ」と笑いながら話す程度のことで、誌面に原稿として書けるレベルのものではない。そこで、実機検証してみることに。
だが、件の部分をさわってももり上がりは感じない。
「違ったか」と思いつつも今度は玉の落下位置から棒を垂らして回転体を回してみる。……すると、なんとV付近にくると棒がフワッと浮き上がるではないか! 完全にもり上がってる。
念のため他の台2台でも試したが、同じ現象を確認できた。取ってきた蓄積データから仮説を立て、それを物理的にも立証できたこの日のことは今でも忘れない最高の日だった。そりゃあもう喜び勇んで原稿にしたっけ。あんまり反響なかったけど(笑)。
また、このことは後の教訓にもなった。それは「役モノはたいがい見た目通りの確率よりもやや悪いもんだ」ということ。
今なら「祭だ!サブちゃん」がこれに当てはまる。あの回転体は到達時のV入賞率がリプレイからの分も含めると6分の1になるはず。だが、自分の実戦データでは今のところ6・5分の1。
たいした差には感じないかもしれないが、時給を計算すると500円以上も変わってくる。これは決して小さいことではない。
デジパチと違い、ハネモノは台の大当り確率が決まっていないので、台を判断するうえでこういったことは大事なのだ。
(和泉純)