遊技離れは本当にあったのか
遊技人口が減ってる! というのはさんざん耳にする問題提起なんですが、実際どの層が減ってるかをちゃんと知ってる人は結構少ないかもしれません。
コロナのときは年寄りが減ってる! と騒いでましたし、今は「若者が!」つって色々言ってます。どっちやねん。
というわけでちょっと考えてみましょう。
まず身も蓋もない答えですけど、遊技人口の問題を若者と年寄の二極化せず俯瞰すると「両方減ってる」というのが正しい認識になります。だって産業規模がバチクソシュリンク(縮小)してんだから当たり前田のクラッカーですね。
ただし、減ってるにしても減る速度とか割合とかはあるわけで、そっちで語ると「別にそんなに減ってねぇ」という不思議な答えになります。どういうことだってばよ。
この辺は各団体やらシンクタンクが毎年発表してるファンアンケートや基礎データなんかを見ればだいたい分かるんですけど、この十年くらいの「遊技参加率」を切り取ってみてみると、各年代それぞれ数パーセント程度の変化はあれどそんな大幅にドンと上がったりズンと下がったりはしてないんですね。
モチロン、全人口から考えるとたった1パーセントの差が物凄い数の遊技人口となりフィードバックされるのは重々承知してるんですが、取り立ててどの世代が減ってるとか増えてるとかはあんまり無く「まんべんなく減ってる」というのが正しい認識になります。
ここ十数年は、ですね。
これをもうちょっと長いスパンで見た場合は話が変わり、例えば2000年から比べると「若者がめちゃくちゃ減ってる」というのは事実。参加率がほぼ半減してます。若者人口自体も急減してるので、実際の参加人口は半分どころじゃないでしょう。
一方、高齢の方(すみませんが60代以上とします)の参加率はというとこれが盤石も盤石。実は25年くらいずっと5〜10パーセントのレンジから抜けておらず、20人に1人あるいは10人に1人程度の「好きモノ」が、状況に左右されずホールに通い続けてる状況が続いているんですね。
この高齢ファン層は、多分何があってももう死ぬまでホールに通うと思いますし、ブームとかトレンドとかに左右されない、ガチの「コア層」なんですよ。
で、これを見て「ほら! 若者減ってるやん!」と思う人も絶対いると思うんですが、ここが「若者の遊技離れ」という言葉に隠されしムズガユい部分なんです。
実は若者(20〜30代ににしときましょうか)の参加率は2003年くらいをピークに2008年〜2011年くらいまでに急激に落ち込み、その後は現在まで10〜15パーセント程度のレンジを保ってあとは小幅に上がったり下がったりしてるだけなんですね。
つまり「若者の遊技離れ」という現象は15年ほど前に起きた過去の話であって、そっから先は何も変わってないんですよ。
もっというと「遊技離れは本当にあったのか」というのも検証の必要があります。
なんせ2000年〜2004年くらいは「パチスロブーム」と言っても良いような状況であり、とりあえず周りの人間に誘われて打ってみる若者、というのがめちゃくちゃ多かったわけで。いまよりもカジュアルユーザーの数がクソ多かったんです。
「北斗の拳」とか「吉宗」とかのPS2用ゲームが大ヒットするくらいには、パチスロというのが市民権を得たメジャーな遊びでしたし、あんまりこれは良い事じゃないですけど、種銭が欲しけりゃバイトしてない大学生にまでお金を貸してくれるところがありました。就職氷河期で閉塞感もすごかったんで刹那的な快楽を求める学生も多かったでしょう。
つまりトレンド的にもそうでしたし、それを後押しするような状況もあったんで、当時の若者の遊技参加率というのは多分「異常事態だった」んだと思います。
んでそこと比べて「若者が減った!」というのは、地を這う生き物が大空の鳥を指さして「ずるい」というようなもので、もはや言ってもしゃァない事。なんせ5号機中盤からはもう15年くらい、若者の参加人口比率は変わってないんだから。
というわけで本題です。若者を増やすのももちろん大事っちゃ大事なんですけどね、それよりもっと緊急で目を向けるべき年代がいるんじゃない? って話です。…
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