軍団の「打ち子」という立場。その日常と鬱憤(後編)

(前編からの続き)

しのけん(以下:−)そのような厳しめなホールで、軍団だとバレないようにしている行動ってある?

魚くん(以下：魚)「やっぱりLINEを覗かれないように、スマホの光度を思いっきり下げてますね。これはライバルにバレないようにはもちろんの事、ホールのカメラで覗かれないように」

−今のホールのカメラのズームアップ機能、スマホの文字も見えるみたいだもんね。

魚「ハイ。実は自分が子を始めたばかりの頃に、LINEのやり取りを見抜かれて出禁になったホールがあって。それ以降更に用心するようになりました」

−なるほど。他に気を付けている事ってあるかな?

魚「会員カードは基本リーダーが毎回回収しているんですけど、その会員カードや当日の現金の受け渡しは極力ホールから離れたところでやるようにしています」

−毎回朝にやりとりするんだよね? 例えばどんな感じ?

魚「抽選が終わったら、少し離れたコンビニに時間差で向かうパターンが多いです。抽選から再整列まで時間が無い時は、ホール敷地内の自販機の取り出し口に会員カードと現金入れて、時間差でそれを取りに行く時もありますね」

−時間無い時はまぁまぁリスキーな事してるのね(笑)。ちなみに例えばなんだけど、計3人で打ちに行ったホールで高設定台を1台しかツモれてなかったら、どんな感じで打つ・打たないの配分をしてるのかな?

魚「ツモった機種は、その台を得意としている人が受け持つ感じですが、極力、子のどちらかが打つ事が多いです」

−あぁ、リーダーは2台目3台目を探すために徘徊を受け持つからね。

魚「ですね。ただ…」

−ただ?

魚「リーダーは絆2とか超好きで、そういうリーダーが好きな機種をツモった場合は子に打たせずリーダーが率先して打つんですよ」

−え? その間の時間、子はどうするの?

魚「もちろん他の高設定を探したりハイエナ台を探したり指示されるんですけど、最悪帰らされます(笑)」

−あれま。良く聞く軍団の話だと、子に仕事を回すためリーダーは基本徘徊。子に打つ台全て用意してからやっとリーダーも打つってパターンが多いんだけどね。

魚「そうなんですけど、うちはリーダーの好みや気分にかなり左右されます」

−そうなると子の収入にも影響してくると思うんだけど、言っても構わないなら月の給料も教えて貰えるかな。

魚「構わないです。大体月に10〜15万円です。稼働日数は月に15〜20日くらいですね」

−まぁそのくらいになっちゃうよね。

魚「…自分より前から打ち子やっている方が、俺より何かしら優遇されてるんですよね」

−時給がちょっと良いとか?

魚「それもそうですし、例えば高設定1台ツモれた後に俺は帰らされるけど、その子は居残れたりするんです」

−年功序列的なモノなのかな。でもそれは厳しいね。

魚「ハイ。LINEのやりとりも、その子のやりとりは友達感覚でスタンプとか使いまくってるんだけど、俺のは淡泊で…。こんな感じなんですよ」


−サバサバとはしているね。あとちょっと言葉がキツいかなぁ。

魚「そうなんですよ！ こんなやりとりして…