TOPへ

しのけんの回胴ノンフィクション

会社を手放しパチスロ生活に戻った子持ちプロ(後編)

TAC_00111900_tac_pic1.jpg

Eさん(以下:E)「なんか振り返ると恥ずかしいですね。というか読者の方からしたらこんな他人の身の上話興味なくないですか?(笑)」

しのけん(以下:−)いや、パチスロ生活者だからって特殊な人間って訳じゃない事を知って欲しいところもあって。年齢的には多くの人が通ってきている、結婚、子育てという過程とパチスロ生活を両立している人の話は興味持ってくれると思うよ。あとここら辺に関して個人的に気になる事も一つあって。

E「なんですか?」

−お子さんが大きくなって、お父さんの仕事は何?」って聞かれたらどう答えるのかなって。いわゆる世間体ってやつ。きっと小学生くらいになったら気になりだすと思うし。

E「ですよねぇ。ユーチューバ―みたいな事が職業として成り立っている時代ではあるから、その頃には少しでもパチスロ生活者ってのが特殊な職業の一つくらいに認知されていれば救いですが無理だろうし。聞かれても、なんとなく誤魔化しちゃうかもしれません」

−あと、お子さんが年頃になって彼氏が出来た」言って連れて来たのがスロプロだったらどうします?(笑)

E「わはは、イジワルな質問しますねぇ(笑)。いやぁどうだろう。まず拒絶はせずに、どんな立ち回りをしているか聞くかな」

−どうしよう、その彼氏がめちゃくちゃオカルト的な立ち回りをアツく語り出したら。

E「それはさすがに厳しいですが、話を聞けば概ねどれくらい徹底しているかは理解できるじゃないですか。それ次第になりますかね。要は実力者であって、人様に迷惑をかけていないのであれば受け入れると思います。そもそも自分がこんな生活をしているのだから、他人の生活の糧を否定もできないですしね」

−まぁ結論はそうなるか。

E「今の時代、普通の勤め人である事が人として真っ当である証明になる訳でもないですし。まずは人間性を見ると思いますね」

−そう言えば、自分自身がパチスロ生活者になったキッカケってどんな感じだったの?

E「実は10代の頃から26歳くらいまでバンドやっていて、まぁそこら辺のメンツってパチンコパチスロ好きじゃないですかいつの時代も(笑)。その付き合いで打ったのがキッカケですね」

−当然いきなり勝てていた訳じゃないよね?

E「もちろん。バイトで稼いだ金をバンド活動とパチンコに費やす日々でしたね。そんなある日に友達が運転する車に同乗していたら事故起こしちゃいまして。しかもその友達の完全なる過失で」

−あらま。

E「被害届け出されちゃうと、免取りになるような状況化、被害にあった相手が車を弁償するなら警察に言わない的な示談を持ちかけられて…それを受けたんですよね」

−受けたってEさんが?

E「友達と折半で払う感じにしました」

−ああ、でも助手席に乗っていただけで折半する事にしたの?

E「はい。そいつ金持ってないの知っていたし、事故直前に隣で喋りかけちゃっていた責任も感じていたので」

−う〜ん、なるほど。

E「で、街金で借金して返済。その借金をなんとかバイトで返済しようとしていたのですが、一向に完済できず困っていた頃にパチスロで稼いでいる地元の知り合いに出会って」

−おお、そこで繋がる感じか。

E「はい、まさに(笑)。聞くとパチスロで月100万近く勝ってると。クランキーコンドルやタコスロがまだ全盛の頃ですね。で、その知り合いを参考に勝つためのパチスロ…リプレイハズシはもちろんの事、当時の台には存在していた小役の高確率・低確率の切り替え概念などを把握していった感じですね」

−その結果、パチスロで借金を返済出来た…とか?

E「その通りです。試行錯誤しながらでもなんだかんだ結果残せて、約1年で全額返済できました」

−バイトじゃ一向に減らなかった借金がパチスロで完済出来ちゃったら、バイトなんてやってられなくなるよね。

E「はい。バイトは当然ヤメちゃってたのはもちろんの事、バンドからも遠ざかってパチスロ三昧な生活がスタートした感じです」


−そうだ。これも気になっていた事の一つなんだけど、聞いて良いかな。マズイならカットするから。

E「はい」

緊急事態宣言下で稼働した真意とは



−昨年コロナウイルス問題で、1回目の緊急事態宣言が発令された時あったでしょ。2020年の4月7日〜5月25日だったかな? 多くのホールが店を閉めていて、自分も稼働を止めていた期間なんだけど。仕事で外出しなきゃならなかった時、近くに数少ない営業中のホールがあったから覗いたら、Eさんに似た人をディスクアップのシマで見かけたんだけど。あの時期○●△(※ホール名)に居た?

E「あ、打ってましたよ。というかあの期間は、敢えて打ちに行ってました」

−え? “敢えて"打ちに行ってたの?

E「はい。あの時のホールに対するメディアの反応が許せなくて」

−と言うと?

E「緊急事態宣言が出る前から、それこそコロナ禍になってからのホールのウイルス対策は万全だったと思うんですよ。まだ全てのホールが営業している頃、除菌アルコールで手が荒れている店員さんも多く見てきたし。それなのにホールバッシングが酷くて多くのホールが店休を選んだじゃないですか」

−どうしてもそうせざるを得ない感もあったしね。

E「その中で営業していたホールも一部あって。そこにはそうせざるを得ない理由があって営業しなきゃならない以上、徹底した感染対策を施した上で営業していたと思うんです」

−そうだと思う。ただ、営業しているホールに対するバッシングは酷かったよね。自分が覗いてEさんを見かけたホールにもニュース番組の取材陣らしき人達が店の前に鎮座していたし。

E「自分としては、パチンコ業界だからバッシングしても許される的な風潮が許せなくて。そういう事に対するアンチテーゼとして、“コロナ禍でも営業しているホールに毎日通って、感染しないで無事過ごしてやる"って思い立っちゃったんですよね」

−ちょっと待って(笑)。それを遂行してどこに向けて発信しようと?

E「証明とか誰にする訳でもなく、ただそういう気持ちが芽生えちゃって実行しただけです。この生活って保障も当然ないじゃないですか。当然コロナ禍での補償も無く稼働を休んだら収入がゼロ。そんな中でも稼がなきゃって気持ちと、ホールは絶対安全だという証明をしたかった。なんか自分の中でアツくなっちゃったんです(笑)」

−いや、本当にアツい。下手な業界人より拘りを持っていると思う。ただ、あの時営業していたホールの状況ってかなりキツくなかった?

E「はい。だからディスクアップとか愛姫とかを打っていました。この期間は自給単価とかそういうのは抜きにして…

このコンテンツの全編を
お楽しみいただくには
有料会員登録が必要です

有料会員登録で、機種情報やコラムをご利用いただけます。
さらにゴールド会員登録で、特製攻略ツールなどパチマガスロマガのすべてのコンテンツが使い放題!
この機会に、ぜひゴールド会員登録をよろしくお願いします。
すでに会員登録が完了している方は
下記ボタンよりログインしてください

しのけんの回胴ノンフィクションTOP
出演者募集中!
しのけんの回胴ノンフィクションTOP
Myページへ追加
TOP
BBS