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しのけんの回胴ノンフィクション

栄光と挫折。九州地方でパチスロに人生を捧げる男(後編)

(前編からの続き)

しのけん(以下:−)そんなパチスロ生活をしながら、富永君は「パチスロ攻略サイト運営」に舵を切ったんだよね。

富永プロ(以下:富)「2002年頃ですかね。さっきも言ったように当時立ち回っていた地域はタチ悪い人多くて。パチスロ生活を徹底する程そういうトラブルの頻度も増え、それが嫌になってきた事もあり。会社を立ち上げて、当時増えてきた「攻略サイト」をやろうかなと」

−ずいぶん大きく動いたよね。元からそういうビジネスに興味があった感じ?

「いえ、全く。サイト運営の知識も全くありませんでしたし。ただちょうど、この頃ガラケーで見られる「パチスロ攻略サイト」が生まれだした頃で。それこそパチマガスロマガのサイトも登録して見ていたので、それより攻略に特化したサイトを自分で作ろうと思って行動に移しただけです」

−なんて名前のサイトだったっけ?

「「HAPPY☆SLOT」ですね」

−確か主要のキャリアに対応したサイトにまで成長したんだよね。

「ハイ、当時のガラケー4社に完全対応してましたね」

TAC_00111720_tac_pic1.jpg
※当時のサイト紹介。現ソフトバンク・au・ウイルコム・ドコモ「i-MODE」に対応していた。

−全く無からのスタートで凄いと思うよ。

「3社まではスムーズにキャリア公式サイトにまでいけたんですけど、ドコモのi-MODEは審査が厳しかったですねぇ」

−少しパチスロの話から離れちゃうけれど、どういう審査があるのかな?

「まず他のキャリアでの登録者数。あとはサイトの内容がいかがわしいモノでない事。カテゴリーがギャンブルなのでそこは特に厳しかった記憶があります。ただ、ガラケーのシェアは圧倒的にドコモが強かったので、i-MODEにさえ審査が通ればうまく行くと思って頑張りました」

−無事、審査が通って4社で見る事の出来るサイトになったのだから、そこから安定収入が得られるようになったと。

「う〜ん、確かに登録者数に対しての報酬は受けられましたけど、運営自体は赤字続きでしたね」

−ビジネスはそう簡単ではなかった…と。

「ですねぇ。資本金を最初350万にしたけどすぐに400万追加して。スタッフへの支払いやサーバ代等のサイト維持費で、とにかく毎月お金が飛ぶんです。そんな訳で、月の半分はサイト運営に時間を使って、残り半分はパチスロの稼働をして、その稼ぎを運営費に回すような毎日でした」

−結局パチスロ生活からは離れられなかったんだね。

「最初の1年くらいまでは順調だったのですが、それ以降は登録者数が伸び悩んで。早くから対応していた3社は最終的に1000人前後の登録者数をキープ出来たんですけど、i-MODEのほうが600人前後。これくらいの登録者数では厳しいんですよ。ちなみに当時のパチマガスロマガのサイトの登録者数が1万人超え。正直羨ましかったです(笑)。

−パチマガスロマガは紙媒体があったから強みだよね。そういうモノを持たないHAPPY☆SLOTで会員数を増やすのには何か必要なのかねぇ。

「広告ですよね。まずは存在を知って貰わなくてはと。そんな事を思っていたら、2007年頃に、パチスロ番組制作の方から声が掛かって、地上波のパチスロ番組「P-LIFE(RKB毎日放送)」へのレギュラー出演が決まったんですよ。これは宣伝ができるチャンスだと」

−ここで、「富永プロ」としての演者デビューか(笑)。

「番組内でプロ呼ばわりされるのが恥ずかしかったですが(笑)、HAPPY☆SLOTの宣伝にもなるからと全力で出演しましたね」

TAC_00111720_tac_pic2.jpg

−出演後サイトの登録者数は増えた?

「多少は増えましたね。ただ、それでも運営費を維持するので一杯一杯な状態で。更にこの番組の出演料は0円だったんです」

−え、ウソでしょ。地上波に出ていて出演料もらえなかったの?

「サイトの宣伝をしてもらう事のみを条件に契約したので一切貰えなかったですね。ただ、番組に出てからはホールで声掛けられたり、この番組が終わった後も別局のパチスロ番組「リアル回胴格闘技スロッターレ(TVQ九州放送)」に呼ばれたりと、良い経験をさせては貰えたので」

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※番組ウィキペディアには今も活躍する有名ライターに交って富永プロの名前も。

−にしても厳しいねぇ。

「結局サイト運営と番組出演に忙しくなって、プライベートで打ちに行く時間も無くなってしまい。そうなるとパチスロの稼ぎで運営費に充てていたお金も得られないという悪循環に陥っちゃいまして…」

−最終的にはどういう決断を?

「サイト運営を終了するという決断を選択しましたね」

−苦渋の決断をしたと。

「う〜ん、この後もう少し経ってから、ガラケーが廃れていって、スマホ時代に移行したじゃないですか。そうなるとまたサイト運営方法も変えて行く必要が出てくる訳で。その変化を乗り越えられた自信があるかと考えると厳しいかなと。そういう意味で潮時だったのかなぁ」

−進退を決めるタイミングとしてはベストだったのかね。

「はい。あ、あとTV出演していた頃、例の攻略プロから突然電話が来まして」

−ほう(笑)…

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