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しのけんの回胴ノンフィクション

精度99%を誇るビタ押し職人(前編)

今現在パチスロで生活している打ち手の立ち回り論はもちろんのこと、そんな生活をしている事への素直な感情、また元スロプロが足を洗った経緯やその後の人生等、ちょっと特殊な生活に足を踏み入れたからこそ想う“今”を、しのけんが鋭く聞き出していく「回胴ノンフィクション」。今回は……

人物紹介

ビタ押し精度99%の男!!
氏名:ウルフくん
年齢:32歳
主な活動地域:都内近郊

彼を始めて見かけたのは、約9年前、全台設定6シマの「エヴァンゲリヲン〜生命の鼓動〜」を打っていた時。たまたま自分の隣で打っていた彼の第一印象は、「とにかく早く回す子だな」。通常時はもちろんBIG中も、時に大雑把に感じる早打ちで、少しでも多くのゲーム数をこなしているのを横目で見つつ、「そんな早いと小役こぼしちゃうだろうに」と余計な心配を抱いていまして。

ところが。よくよく彼の打ち方を観察してみると、まったく小役をこぼしていない。フルウエイトで回しているにも関わらず、常に似た位置の停止形。スイカの払い出し枚数が10枚で、更にこぼしやすい配列ながら、閉店時には自分より500G近く多く回して小役こぼしはゼロ。この時「隣で面白い物を見せて貰ったなぁ」と思った事を強く覚えています。

そんな彼を再び見かけるようになったのは、2018年頃。たまたま足を運んだホールの「サザンアイズ」が設定Cで、それを打っていたのが彼でした。相変わらずの早打ちで、そして上手い。その後はサザンアイズ・バンバンクロス等の現代技術介入機のシマではもちろんの事、それら以外のシマでも彼を見かけるようになり、気づけば多少は話すように。

今回『回胴ノンフィクション』を始めるにあたり、真っ先に話を聞いてみたいなと思ったのが彼。今の時代に技術介入機を中心に立ち回っているその心中や、この生活への気持ちを率直に聞いてみました。自分もいちパチスロ生活者ではあるけれど、ライターとしての側面があるのも事実。この企画では、本当に“それだけしかない”パチスロ生活者の本音を、少しでも多くの人に知ってもらえれば…という思いでスタートさせていただきます。

TAC_00111409_tac_pic1.jpg

しのけん(以下:―)今日はよろしくね。

ウルフくん(以下:ウ)「はい、よろしくお願いします」

―知り合って数年経つけど、そういえばウルフくんって何歳なの?

「ええっと、1988年9月生まれなんで、33…32? あれ、何歳だっけな?」

―自分の15下だから32歳だね(笑)。

「では32歳です(笑)」

―って事は、ウルフくんを始めて見かけた時は僅か23歳だったのか。ちなみに結婚は?

「未婚です。パチスロばっかりやってると出会いなんて無くないですか?(笑)」

―まぁその通り(笑)。ヱヴァ生命で見かけた時も目押し上手いなぁって思っていたけど、ここ最近さらに精度が上がってない?

「どうなんでしょう。自分の目押し精度が上がっているというより、結局のところ、その台の打ち込み度で要領良く押せるようになるってのが正解かなと思います」

―ここ1年くらいはバンバンクロスの設定Cを使っているホールでよく見かけていたけど、今もバンバンクロスメインなの?

「もちろんCを打てる店があれば今も行っていますけど、最近はさすがに打てる頻度が減ってきましたね。1年前から半年前くらいまでは、それこそ月の20日くらいはバンバンそしてサザンアイズを打っていましたが」

―ちなみにあの携帯連動サービス「大都吉宗CITY」はやってたりする? やっていたらデータを見せてほしいかな。

「あ、はい。やってます」

TAC_00111409_tac_pic2.jpg

―ゴメン、自分がバンバンクロスをほとんど打っていないから分からないんだけど、これって全国1位って事?

「はい」

―はいって(笑)。凄くない!?

「稼働してたらそうなっていただけなんで。1位で賞金が出るなら嬉しいですけど貰えないですからね(笑)」

―いやいや凄いよ。あ、累計のビタ精度とかも見れるんだよね。

「それはこちらですね」

TAC_00111409_tac_pic3.jpg

―5万7000回以上ビタ押しやって、成功率98.63%!

「いやこれはアシスト込みなので、実際は少し落ちますね。98.3%くらいかなと」

―それでも凄いよ(笑)。

「昼から打ったときは100%で終えられた時もあったんですけどね」

TAC_00111409_tac_pic4.jpg

―元々上手だと思っていたけど、こうやって数字を見せられると驚愕する。ちなみに累計で何ゲーム回してなの?

「あ、ここに載っています。最近100万G超えましたね」

TAC_00111409_tac_pic5.jpg

―バンバンクロスを100万G超えしている人も限られているよね。

「実機を持っている人とかならいると思いますが、普段の稼働でとなると極々一部かと」

―ウルフくんはもちろん稼働のみのゲーム数?

「はい。中には実機を購入してビタが調子良く成功している時だけデータを読み込んで…って人もいるので、ビタ成功率がもっと高い人もいますね。あと、ビタ精度と回すゲーム数の兼ね合いもあります」

―と言うと?

「精度の観点で言うと、毎回しっかり時間をかけてビタ押しすれば100%も可能なんですよ。でも普段の稼働でとなると、消化時間の問題があって」

―ああ、ビタに時間をかけて通常時をあまり回さなかったら逆に損だもんね。

「はい。通常時を少しでも多くこなすために、CB中はほぼほぼ1周で消化。となるとこれくらいの精度が限界かなぁと」

―ちなみに通常時はどれくらい回すの?

「都内の12時間50分営業だとCB回数にもよりますがだいたい9700G前後ですかね」

―ちょ、それってほぼほぼ手を止めていないよね。

「はい。ビタの精度があるラインまで行くと、バンバンクロスのような技術介入機では、通常時と目押しに割く時間の振り分けが最重要課題になりますね」

―なるほど。それってビタ押し精度の高い人だからこそ行きつく問題点だね。そう言えば「超ディスクアップ」の大会とかあったけれど、そういうのに参加する気はなかったの? それもそういう部分が重要な競技だし、なにより賞金も出たんだしさ。

「ビタに関しては人に披露するための技術ではなく、自分の糧のためにやっているので、あまり興味はないですね。ああいうのに出るとどうしても目立っちゃいますし」

―なるほど。そんな時間があったら稼働していたいって感じかな。

「はい」

―ちなみにサザンアイズも全盛の頃はよく打っているのを見かけたけれど、どれくらい回したの?

「サザンは打ち始めが少し遅くて、ちょうどダイトモがなくなった頃くらいからなんですよ。だから正確なゲーム数は把握していないですが、サザンも間違いなく100万G以上は回していますね」

―目押し精度的にはバンバンと変わらない感じ?

「ビタの精度的にはあまり変わらないけれど、バンバンはアシストで助けられる時があるからパーセントは上がる感じです」

―バンバンよりリール幅が狭くてリール絵柄も小さいのに精度は変わらないのか(笑)。

「いや、やっぱりサザンのほうが少し精度は落ちたのかな。でもそれには理由があって、どちらかと言うと自身の目押し力というか、台を取るまでの課程が要因で下がる感じかな」

―と言うと?

「サザンアイズの設定Cは110%近くあるから、確実に狙える時は長時間並び、それこそ徹夜とかもするじゃないですか。そういう時に後半ごく僅かに精度が落ちちゃいますね。バンバンの場合は105.8%なので、そこまでの労力を掛けないで打つ場合が多いので、精度が落ちる事が少ないです」

―なるほど。体力的な問題になるのね(笑)。

「110%となるとリターンもそれなりだから時間を投資するけれど、105%くらいならば他の機種も選択肢に入れるとバンバン以外でも可能ですからね」

―そうそう、今回は目押しの部分をどうしても話題にさせてもらっちゃっているけれど、技術介入機以外も結構打っているもんね。聞くけど、例えばバンバンの設定Cを狙える日なのにバンバン以外を狙うとしたら、どういう条件になるのかな? もちろん設定6の機械割が106%以上の台が100%狙えるならそっちを打つだろうけど、現実的な条件で。

「う〜ん…」

(後編に続く)
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