第36回:大当りを司る“乱数”とは何なのか!?
●今回は“乱数”について話そう
パチスロ機を制御しているCPUは“Z80”という8ビットのプロセッサである。Z80はインテル社が開発した8080というCPUをベースにザイログ社が1978年に開発したもので、1980年代半ばまでパソコン(当時はマイコンと呼ばれていた)のCPUとしてよく使用されていた。
シャープのMZ-80シリーズ、NECのPC-8001など、マイコンファンにはお馴染みのCPUである。Z80は8ビットながら一部の転送や演算を16ビットで行うことができ、アドレス空間を最大65536まで使うことができる。その後パソコンは16ビット、32ビット、そして現代の64ビットの時代へと進化していくわけだが、ことパチンコ業界では8ビットのZ80のまま。正確に言うとZ80互換のNEC製uPD70008IPを使用している。
なぜパチンコ・パチスロ業界だけ8ビットCPUのままなのか? それは、16ビットのCPUなどを使うと検査の手間がかかるからである。未だに8ビットを使うのは、検査をシンプルなものにして不正を防ぐというのが最大の理由といえよう。一方、プログラムが収まるROMは以前は4Kバイト程度の制限があったが、新基準になりサブでのナビ抽選が禁止になり、メインからの制御に変わったことで容量が緩和され、今は16Kバイトまで使用してよいことになっている。ただし、16Kをフルに使うようなプログラミングはしておらず、余りが出るほど十分過ぎる容量のようである(開発者談)。パチンコ・パチスロ機の制御にはこの程度の容量で事は足りる。音楽や映像はサブが管理しており、容量には制限がない。ゆえに、何曲でもどんな画面でも作り放題なのである。
●予測不可能なRレジスタの動き
ボーナスを判定する乱数は1つだけではなく、何種類かの乱数を組み合わせて加工して作られている。その主軸になるのが“Rレジスタ”である。Rレジスタについて解説すると少しややこしくなるので、CPUが1つのチェックをすると進むカウンタとでも思ってもらって良い。値は0〜127で、この値を元に、16384や65536の乱数が作り出されている。その速さだが、2004年7月1日に改正された遊技規則では、乱数1周期が0.05秒以内と定められたため、現行機では0.05÷16384秒や0.05÷65536秒という途方もない速さで進んでいることになる。
さてそのRレジスタの動きだが、過去に面白い研究をしたことがある。デジパチがデジタル回転率と停止スベリで出目を決定して当り判定をしていた時代から、チャッカー入賞時の乱数テーブルで出目を決めるようになった後、Rレジスタを用いて当りを決めるマシンが登場してきた。我々はROMを解析して…
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