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博打打ち哀歌

伝説の博徒と九州ヤクザB

本物のヤクザの兄弟分が熱唱した「兄弟仁義」が終わると、私を含めて場にいた組員、芸者衆全員は、お世辞抜きのヤンヤヤンヤの拍手喝采。東映ヤクザ映画全盛時代の鶴田浩二、高倉健が歌い、それに飛び入りで北島三郎が加わった名シーンさながらであった。

二人ともまんざらではなかったようで、「いやいや…」という素振りながら、顔は紅潮していた。芸者を交えた宴席がさらに続くかと思っていると、緊張した顔つきの若い衆が入ってきて、後藤組長に耳打ちした。恐らく、何か緊急の用件が発生したのであろう。でなければ、若い衆が親分の大事な宴席に入ってくるわけがない。若い衆から耳打ちされた後藤組長が、高田組長に話しかけた。

「兄弟! 北海道からフダ(指名手配)が出とるそうたい。こっちの刑事からうちの事務所に連絡が入った。高田の兄弟が九州に来とるけんが、知らんか…いうことやった。兄弟に辿り着くのは時間の問題や。どげえする。兄弟の考えひとつや。ここで隠るるんやったらオレが身体を張る。逃ぐるんやったら今すぐや。それもオレが手配する」
「兄弟に迷惑は掛けられん。すぐに逃げる。たぶん、ちょこっともめた件で、北海道のド素人がチンコロしたんやろうと思うわ。実際にシメたのはイカサマ師のプロやが、あいつがサツで謳うことはない。…どうせフダの中身はバクチと暴行やろうから、しばらく身体をかわしていれば、ほとぼりが冷める」

高田組長は事態をこう読んだが、後にこの読みが…

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