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サイコロ店長のスロ専奮闘記

ひとりでも多く生き残って欲しい

セガサミーホールディングス(以下サミー)が希望退職者を募ると報道されたのはつい先日。グループ会社7社、計650人と大規模なものだ。

我々にとってサミーという会社は遊技機メーカーのイメージが強い。2003年に買収したセガを含めれば、アミューズメント全般って感じか。だが実際には、その他の事業も幅広く手掛けている。

アプリ開発、リゾート事業、映像制作、版権管理など、30以上ものグループ会社が存在する。ほぼ稼働が停止している事業もあれば、ゴルフ関連企業などは毎年メディアに取り上げられる程、大規模なコンペも開催している。

今回希望退職者を募ったのは、言わずもがな新型コロナウイルスの影響による事業悪化が原因。北斗無双シリーズが相次いでコケたからではない。

サミーは数ヶ月前、2021年3月期通期連結業績予想を公開している。それによると、今年度の最終赤字予測額は170億円。で、今回発表された2020年9月期中間連結決算は217億円(共に純損益)。ご覧の通り、中間決算の時点で最終予測を大幅に上回っている。残りの数ヶ月で損益額がさらに上乗せされる可能性すらある。

桁が大きすぎて我々庶民にはちんぷんかんぷんだが、なんとなく事の重大さが伝わるだろう。ここまでくると、もう北斗無双うんぬんの話では済まされない。

以前にも触れたが、サミーは自社の製品を自社で販売する、いわゆるSPA(製造小売業)に近い体制を整えている。それ専用の人員(営業社員)を抱えているからね。

今回はそれが裏目に出た。だって、発売する機械があろうとなかろうと、その分の人件費は発生するんだもん。

営業社員は自粛期間前後を含め現在に至るまで、以前の様な活発な活動ができていない。今となっては余剰人員と化している。いわゆる人件費の垂れ流しだ。

他にも同様の人員を抱えているメーカーもあるが、サミーは業界で最も直販比率が高い。その分、痛手を被ったのだ。

「体制のスリム化」と言えば聞こえはいいが、実態は苦肉の策。これは、数ヶ月前の山佐にも言えるし、表沙汰になっていないだけで他メーカーも似た様なアクションを起こしているのだろう。

とは言え、これらのアクションがホールとの関係を大きく崩すことはない。誰が売ろうと誰から買おうと、機械性能に違いは出ないのだから。

そして、今はまだ「手売り」に近いパチンコパチスロ業界。数年後には、オンライン注文&決算が当然になっているだろう。ある意味、その前哨戦とも言えなくはない。

だが、私は今の体制の方が好きだ。サミーに限らず他メーカーの営業マンも全員好きだ。

無理を言い、強引に欲しい機械を引っ張ったこともある。「担当者を変えろ」と営業所に怒鳴り込んだこともある。機械トラブルで夜中に担当者を呼び出したことなんて数えきれない。彼らは、我々の営業活動を陰から支えてくれているのだ。

古い考えだが、そーゆー人間味あふれるところが「手売り」のいいところ。このご時世、色々あるだろうが、ひとりでも多くの営業マンに生き残って欲しいサイコロ店長です。
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