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サイコロ店長のスロ専奮闘記

マーケティング事業

不定期で変則的な業務が与えられるサイコロ店長です。秘密裏に行われるシークレットミッションと言えば聞こえはいいが、ただの肉体労働だ。

パチンコ関連の事業には様々な業種が存在する。

ホールとメーカー(遊技機)はユーザーと最も接点がある業種。貯玉再プレイやメダルの自動補給、空気洗浄などの設備管理システムも地味な存在ながら欠かせない。

ホール周辺だけではない。パチマガスロマガなどのメディア関連や広告代理店、出玉情報ツールや入場抽選ツールなども不可欠な存在だ。中古機販売業者や遊技台専用運送業者とかもね。そして、今回ネタにするマーケティング事業もそのひとつ。

今年のとあるタイミングで、とある企業が某県某地域の調査を依頼してきた。

調査の目的は伏せられていたが、この手の依頼は新規出店投資に関わるものが多い。クライアントから察するに、今回は新規出店計画の為の調査だろう。データを基に、市場価値と勝算を見極めるのだ。

調査の項目はこんな感じ。地域全体の人口・世帯・所得調査、周辺駅の乗降客数調査、主要道路を中心とした導線調査、主な商業施設の調査。そして、該当地域にあるパチンコ店全般の調査だ。

人口やら乗降客数やらは毎日デスクワークに励む人たちが担当。つーか、ホール勤務経験者は全員現場(パチンコ店)で走り回る役割に。

現場での調査は意外と繊細だ。稼働人数調査や稼働男女比調査、接客レベルや設備関連のチェックなど、ある程度の知識と経験が必要。ナンバーランプ(データ表示機)のメーカー(商品名)も調査項目の対象になるくらいだからね。

ホールの場所や設置台数などは事前調査である程度把握可能だが、正確でないものも多い。「海物語が1台足りないぞ!」なんてトラブルも珍しくない。接客や施設設備は初手で完結するが、最も手こずるのが稼働人数調査。労力の80%がここに集中する。

稼働は各店舗、10時・13時・16時・19時(1日4回)の調査を行う。ひとりの調査員が担当するのは4〜5店舗。仮に対象が20店舗の場合、4〜5名の調査員が必要になる。これを一定期間ぶっ通しで行う。

対象地域によっては車移動だが、今回の案件はすべて徒歩。幸いにも密集している区域が複数あるのが救いだ。ただし、運が悪い調査員は大型店舗が割り振られ、時間と労力を割かれるハメに。一応、経験とバランスは考慮するけどね。

ね、割とハードな感じでしょ。初めて調査隊に選ばれたメンバーは一風変わった業務に心躍らせる。が、それも調査開始から数時間で心が折れる

初日の全日程が終了した後の報告を兼ねた食事会では、疲労困憊した顔が並ぶのが恒例。さすがに二日目以降は要領を覚え、効率も上がるけどね。

これは調査隊あるあるだが、毎日何度も対象ホールに突入すると、顔を覚えられてしまう。徐々にスタッフの目線が厳しくなってくるのだ。調査しているのはこっちなのに、その行動をインカムで追われている感じ。特に稼働の乏しいホールの場合、目立つことこの上ない。

てな感じが現場での大まかな調査内容。提出した稼働などを数値化し、データとして分析するのはデスクワーク部隊。単純に稼働人数を合計するのではない。特殊な係数をかけるのだ。

曜日や天候、調査時間、新台状況、特定(集客)日などを考慮する。例えば、10時の初回ターンでも最初の店舗と最後の店舗では時間差が発生する。それをフラットにする為の方程式があるのだ。仕事としての市場調査ってそんなもんよ。単純ではない。

パチンコ事業に強い不動産屋曰く、物件の話は年がら年中持ち込まれる。ただ、社会情勢やパチンコ業界特有の流れ(規制など)によって、その相場も大きく変動する。成長が望める案件なら価値が上がり、衰退して売却される案件は値も叩かれる

ただでさえ苦戦しているホール事業。完全6号機化で右往左往している最中のコロナウイルス騒動。予算も客数も回復の見込みがない状態では、売りに出る案件も少なくないだろう。

無理矢理事業を継続するよりも、よい意味での方向転換は必要だ。
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