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サイコロ店長のスロ専奮闘記

顧客の自覚次第

先日、他店メダルを大量に持ち込み遊技していた顧客を捕獲した。これは立派な犯罪(詐欺罪)であり、被害届を提出できる状況である。

確かに不正に持ち込みされたものの、使用されたメダルは150枚程、被害総額約3,000円。仮に被害届を提出しても、99%不起訴で終わる案件だ。そもそも3,000円の為に貴重な時間を割きたくない。そんなこんなで最終的には詐欺犯を警察に引き渡したサイコロ店長です。実はこの先の展開もあるのだが、残念ながら皆さんに報告できる内容ではない。気が向いたらいつかコラムのネタにでもしてみよう。

ひと昔前、ふた昔前に比べ、ホール内におけるトラブルは激減している。

以前は遊技台に対する不正、いわゆるゴト行為がそこそこの頻度で発生していた。ただし現在はメーカーとホール双方の努力により、セキュリティ面が圧倒的に強化されている。僅かながら被害も報告されているが、過去の頻度と比較すれば雲泥の差だ。

その一方、アナログチックなトラブルは、今でもちょいちょい発生する。その代表的な例がICカード類(ICコイン・ICチップなど)の盗難被害だ。

我々もその危険性を十分に把握している。多くのホールは店内アナウンスや告知物などで、カードの盗難に対する注意喚起をしている。それでも遊技者の注意力が欠けた瞬間、あっさりと被害者になってしまうのだ。

では、万が一にも犯罪に巻き込まれた場合、どの様な対応をとるべきなのか。また、ホールはどの程度までサポートできるのかを掘り下げてみたい。

今回様々なシーンで活躍するカードは、基本的に「当日カード」を指す。精算時に暗証番号を要する「会員カード」は窃盗犯にとっても手間のかかる存在。勘違いでもない限り、窃盗の対象からは除外される。

まずは予備知識として、カードが把握している主な情報を並べてみた。実際、カードが盗難された際には活用する情報だ。

●入金情報
現金が投入された遊技台(台番)と金額、その時間が記録される。

●遊技履歴
カードを利用した遊技台(台番)毎の消費金額。どこでいくら消費したか一目瞭然だ。もちろんカード残高も記録される。

●精算情報
店内すべての精算機は登録番号が割り振られている。利用した精算機と精算金額、もちろん精算した時間も記載済み。

カード盗難が発覚した際の流れはこうだ。

多くの場合、被害者の申告によって被害が発覚する。その場合、まずはカード番号を特定する作業を行う。被害者の行動を把握し、該当するカード番号をあぶりだすのだ。入金情報や遊技履歴は必須項目。すべての遊技履歴は覚えていなくても、最初の遊技台と最後の遊技台くらいは把握しているものだ。

記録と証言を参照しカード番号が確定したら、該当カードに対して「利用停止登録」を行う。これにより、すべての機能がロックされる仕組み。この状態で、該当カードが精算機に挿入された際、アラームが発令する。そうなると、手慣れた窃盗犯は一目散に逃亡し、間抜けな窃盗犯は自らスタッフを呼び、尋問を受けるハメになる。

この様に、仮にカードが盗難されたとしても早急に対応できれば水際で阻止することも可能となる。

運が悪く、精算されてしまった場合はどうか。この場合でも防犯カメラを利用して、窃盗犯の特定は行う。遊技履歴からカードが抜き取られた時間を特定し、その瞬間を証拠として保存する。精算機を利用した場面も同様に保存。被害者が警察に被害届を提出した場合、この映像が証拠となる。また、窃盗犯の容姿を把握することで、後の再犯防止にも繋がるのだ。

地域によっては窃盗犯に限らず、加害者の画像(映像)を共有する場合もある。普段はライバル関係にあっても、地域一丸となって犯罪防止に努めているのだ。

ではまとめ。なんやかんや言っても結局のところ、貴重品の管理は顧客の自覚次第。それはカードに限らず、財布やスマホにおいても同様。逆に言えば、隙を与えなければ被害者になることは絶対にないのだ。
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