早く沈静化してほしい
自宅待機とは言いつつも、なんやかんやでホールに向かうサイコロ店長です。ほら、普段できない機械のメンテナンスとか作業は色々あるからね。
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されてほぼ一週間が経過。対象とされた地域のホール(のほとんど)が、営業自粛に踏み切った。
前回のコラムで私は、4月8日の時点で多くのホールが自粛するのでは?と踏んでいた。だが、率先してそれに取り組んだのは、名の知れた大手ホールのみ。それ以外は東京都知事が直々に自粛を要請するまで営業を継続。業界特有の往生際の悪さが露呈された。
ただ、そこまで粘る気持ちもわからなくはない。我々は日銭商売であり、この騒動以前から、崖っぷちなのだから。
パチンコ店は他のサービス業と同様、基本的には年中無休。余程の事情がない限り、365日間の稼働が前提だ。大型改装でもない限り、連休なんてもっての外。店休を取れば取るほど体力ゲージが減るからね。
昨今の状況を考えれば、ここらヘンは皆さんにも予想できる範囲だろう。では、具体的にはどの程度のダメージなのか。数値をもとに検証してみよう。
駅前多層階型パチスロ専門店A
交換枚数:等価交換
設置台数:200台(2フロア構成)
台売上:12,000円(1台平均)
利益率:20%(等価交換=割数8割)
こんな感じのホールがあったとしよう。実際の数値はこんな感じになる。
●営業粗利
総売上:200台×12,000円=2,400,000円
総放出:2,400,000円×80%=1,920,000円
総粗利:総売上−総放出=480,000円
●経費(人件費)
アルバイト11,200円(時給1,400円×8時間)
社員12,000円(日割換算)
早番:アルバイト2名社員2名=46,400円
遅番:アルバイト2名社員2名=46,400円
総人件費:92,800円
総利益:総粗利−総人件費=387,200円
まず注目すべきは台粗利。A店では日/1台あたり2,400円の粗利。これは割とリアルな数値。
台売上12,000円で利益率20%では、実際にこの程度しか稼げない。ノーマルタイプのレギュラーボーナス1回分程度。想像以上にシビアでしょ。
総粗利から人件費を抜いた表面上の利益は387,200円。実際には、これに機械代や地代家賃など、莫大な経費が加算される。
駅前多層階型店舗で設置台数200台ともなると、正常な営業を続けている限り、毎月かなりの出費が重なる。特に繁華街では、フロアの面積が比較的狭く、多層階になりがち。設置台数の割には人件費もかかる。
今回モデルとなったA店は、計画通り進めば利益が出るし、運が悪ければ赤字になる(月間)。割合的には70:30って感じかな。まさにタイトロープ的な営業だ。
この様に、頑張って営業しても苦戦するホールが多い中での営業自粛。
政府(東京都)の要請とはわかっていても、背に腹はかえられず、営業を継続するホールもあるのは事実だ。批判を受けようとも「死ぬよりはマシ」的な精神。別の意味で「死ぬ」危険性もあるが。
これらの要請に対し、起死回生の一撃!とまではいかないが、中小企業への支援策という動きもある。
○資金繰り支援
無利子無担保での資金貸付制度。もちろん条件付き。
○助成金支援
人件費に充てるもの。強制的に休ませた従業員への給与(の一部を)補助とか。
○税金・社会保険料等支払い猶予支援
文字通り支払い期限に猶予を持たす制度。
これらの支援がパチンコ業界にどの程度適用されるかは明確ではない。相手が政府なら話も早いが、東京都が絡むと話がこじれる可能性も。
どちらにしろ、この騒動が早く鎮静化してGOGOランプを思いっきりペカらせたいものだ。