バジ絆
裏方の業務が莫大に膨らみ、ホールに出る機会が大幅に減った。と同時に、睡眠時間も大きく削られているサイコロ店長です。これは私の睡眠不足アピールではなく、多くの店長に共通して言えること。今まで任せていたバックヤードの仕事にさえも、携わらくてはいけない時代になったのさ。人件費削減のシワ寄せか。
数ヶ月前まで中古機販売価格が200万円前後だったバジリスク絆。既存機の中では文句なしの人気機種だ。知っての通り。
バジ絆は顧客と店舗、双方から重宝されている貴重な存在。そんな重要文化財的な魔法のアイテムを、ほぼ全台売り払ったチェーン店がある。え、何が起こったのさ。
当時(6月中頃?)その話を耳にした時には、「●●も遂に運転資金が底を尽きたか」と冗談交じりに話していた。
元々新台の過剰供給で顧客を抱えていたグループ。大量の最新台を武器に、地域NO.1稼働を誇っている店舗も多い。
「その手法」で店を回す典型的な成功例。これは悪い意味ではない。
新台購入→機械代回収→低設定ループ突入
このチェーン店に、こんなテンプレ的な発想は存在しない。稼働さえ安定してれば、薄利多売営業の実現は難しくないのだ。
新台最速大量導入に加え、確実に存在する高設定。悪くないでしょ。いや逆に魅力的だろ、これ。
私(というか多くの店舗)には、決してマネの出来ない手法。だがハマれば成功する。
それには潤沢な資金と、それが確立されるまでの折れない気持ち(やっぱり資金)が必要となる。
完全に真っ暗で先の見えないトンネルで、懐中電灯ナシで全力疾走するみたいなイメージ。
未知数過ぎる超不安定な状況に気が付いた時、多くの店舗が途中でトンネルを引き返すルートを選択する。中には帰り道さえ見失う店舗も。
その結果、新台購入→機械代回収→低設定ループ突入…という典型的な負のパターンに陥るのさ。挙句の果てには、「新台購入を極力控え、出玉に還元」的な方針を打ち出し、危機回避成功…みたいな。
なんか私の店舗みたいな展開だが、そこは特に突っ込まなくてよい。
そして話は大きく遡り、バジ絆を売却したチェーン店へ。
何故売却したのか。考えられる可能性はふたつ。ひとつは書いた通り運転資金不足。そしてもうひとつは、再認定しないと判断したため。
既にバジ絆に関しては、高傾斜機として撤去候補リストに挙がっている。この状況を踏まえ、再認定(3年間の設置期限延長)は「ない」と言われている。
だがしかし、再認定措置を行わなくても「みなし機」として設置は許されているはずだろうに…。
ところがどっこい「みなし機」も正確に言えば違法機なのだ。厳密には、設置が「許されている」のではなく「見逃されている」状態なのだ。こりゃビックリだ。
パチンコ業界は今、釘問題改善に躍起になっている。違法とされる機械の撤去を年内に行うことで、他方面に向けての「健全化」アピール。半ば強引ではあるが、体裁を整えつつはある。
そして来年、その「健全化」の矛先は、パチスロ業界へとシフトするだろう。これは確実。
考えられる措置は色々あるが、最も単純で安直で即、実行可能なのは「みなし機」の撤去だ。だって厳密には「存在自体が違法」なんだもん。
仮にこれが年明けに発動されたら、現在中古販売価格150万円程のバジ絆は、一瞬で産廃と化す。
売却に動いた法人は、これを予測したのかも知れない。当時は200万円で取引されていたバジ絆も現在は150万円。徐々に価格が下がりつつある。上記問題が公式な発表ともなれば、大暴落の可能性さえある。
「それなら200万円の今、売っちまうか!」
こんなやり取りがなかったとも限らない。私はギリギリまで稼働させちゃうけどね。